何もしないでじっとしていると、気が滅入ってしまう。空白になってしまう。この空白には耐えられない。
畑に出た。午前も午後も。あちらこちらの草取りをした。咳き込みながら。雑草は強い。うわああっと繁茂している。
畑に出ているだけで、気がまぎれる。便利だ。
最後は、残っていた春菊苗を、１０株ほど、プランターから畑へ移植した。水遣りもした。
なんとか乗り越えたい。でも、咳が、明日になっても、止まらないなら、病院に行って診察を受けよう。
咳がぶり返したぞ。なんだこりゃ。旅の途中、またどっかでもらって来たのかな？ やばい。
前回クリニックからもらって来ていた漢方薬が残っていたから、此を飲んだ。１袋ずつ。
でも、咳は止まらない。明日、クリニックに行こう。診察を受けよう。ひどくならないうちに。
老いているから、体が持っている抵抗力が弱っているのだろう。此は間違いのないことだろう。
食欲がなくなっている。喰いたくない。でも、負けるものか。「負けない精神」をその分逞しくしよう。
ウイスキーを飲んでも飲んでも眠気が来ない。ベッドの中で長い夜を悶々として過ごした。朝方になってやっと眠れた。天女が夢に現れた。美しい天女だった。助けてもらった。気分がやわらいだのだろう、そこから深い眠りに落ちた。目覚めたのは８時。窓を開けると秋晴れの大空が広がっていた。
