The Game is Afoot

ミステリ関連を中心に 海外ドラマ、映画、小説等々思いつくまま書いています。

名探偵ポアロ『杉の棺』

2021-03-22 | アガサ・クリスティ
”Sad Cypress”

Season 9 Episode2 (2003年初放送)

ポアロ関連は何度も過去に書いていたものの、何故か個々のエピソード自体に触れた事は無
かった様な気がします。

原作は、アガサ・クリスティーが1940年に発表した『杉の棺』”Sad Cypress” ですが、この原
作は本当に大昔に読んだので細部は霧の中(得意のフレーズ)でした。

先日何気なくポアロの再放送を観ていたのですが、以前観たのは随分前の様な気がするのと同
時に、ゲスト出演者に目が留まり 久々にゆっくり観直す事にした次第です(惜しむらくは吹
き替え版でしたが)。





概略は、
ロディと婚約中のエリノアに怪しい警告文が届く。 不安にかられた彼女は病床の叔母の主治医
であるロードに相談。 ロードは友人であるポアロに助言を請う。
ドイツ留学から帰国した幼馴染で庭師の娘メアリに出会ったロディは彼女に心を奪われてしまう。
傷ついたエリノアは婚約を解消し、メアリに憎しみを募らせていた。
叔母は亡くなり エリノアはその遺産を相続する事になるが、叔母が非常に可愛がっていたメアリ
にもその一部を贈ることに。 そして、屋敷の整理をするエリノアを手伝っていたメアリが急死し、
エリノアにその殺害容疑がかかる。 容疑を否認しないエリノアは裁判に掛けられる事になる。
そんなエリノアの容疑を晴らす為、限られた時間の中ポアロが事件解明に挑む事になる。

出演:
エルキュール・ポワロ : デヴィッド・スーシェ
エリノア・カーライル : エリザベス・ダーモット・ウォルシュ
ロディ・ウィンター : ルパート・ペンリー=ジョーンズ
メアリ・ジェラード : ケリー・ライリー
ピーター・ロード医師 : ポール・マクガン
ホプキンズ看護師 : フィリス・ローガン
ウェルマン夫人 : ダイアナ・クイック
マーズデン : ジャック・ギャロウェイ


今回出演者が興味深かったので、その視点で触れてみたいと思います。



まず、個人的な好みからですが、何と言っても目に付いたのが ルパート・ペンリー=ジョーンズ
でしたので、ジックリ正座して(椅子だけど)拝見いたしました。 婚約中にもかかわらず他の女
性に目を奪われるダメ男君ですが、相変わらず端正なお姿です。



そして、
ポアロの良き友人であるロード医師を演じているポール・マクガンは、『ドクター・フー』の8代目
ドクターを演じた役者さんです。 とは言え、私が見たのは”新シリーズ”と云われる クリストファー・
エクルストン版の9代目ドクターからなので、実際のお姿は画面上では観た事がありませんが・・・・。





メアリー・ジェラードを演じているケリー・ライリーは ロバート・ダウニーJr.版シャーロック・
ホームズでメアリ・モースタンが記憶に残っていますね。



そして、
ホプキンズ看護師のフィリス・ローガンは、何と言っても『ダウントン・アビー』のヒューズでお馴
染みですが、『主任警部モース』その他多くの作品に出演しています。



そう言えば、判事役でティモシー・カールトン(ベネディクト・カンバーバッチのパパ)がチョコッと
だけ顔を見せていましたっけ。



このエピソードは ヘイスティングスも居らず、ポアロが1人頑張ります。
何と言っても、刑の確定から死刑執行迄5日しかないんです。 この時代はこんな風だったんでしょう
かね。早過ぎです。

尚このエピソードの原題は ”Sad Cypress” (直訳は”悲しいイトスギ”)ですが、イトスギは柩を作る
のに使われるそうで、又ドラマの冒頭 病に臥したエリノアの叔母が引用したシェイクスピアの『十
二夜』の科白「わが身を杉の棺に横たえよ』の部分からと言われています。

原作本は、
『杉の棺』(ハヤカワ文庫-クリスティー文庫)

アガサ・クリスティー(著)、恩地三保子(翻訳)