①「八日目の蝉」「阪急電車」「働かないアリに意義がある」
②バリ滞在中の前半はよく晴れていました。見上げると、緑とお花と空とタコが。
③暑くないの?(みーみーちゃん)
いつもならバリでまったりしている時間帯は、読書している時間が一番長くて、いつも滞在中に5冊くらいは読んでいた気がする・・・。
でも、今年は、まったり時間が長かったわりには本も読まず、ぼへぇっと空を眺めたりしていたのですよ。
帰ってきてからの方が時間を見つけて本を読んでいるかも。そんな今日この頃です。
角田光代「八日目の蝉」(中公文庫)すごく評判の良い本書。映画化もされました。だから、ものすごい期待感を持って読みました。確かに面白かったです。最後はちゃんとかすかな希望も見えるし。子どものいない私は希和子さんに気持ち持っていかれながら読みました。その半面、それぞれの登場人物がちゃんとそれぞれに物語を持ってそこに生きていることが話に奥行きとリアルさを与えているとも感じました。そう考えると、映画じゃなくて、文字で感じてほしいお話かもしれません。
有川浩「阪急電車」(幻冬舎文庫)最近、なにかと話題に上がり、ファンも多いようですが、私はあまり読んだことがない。そして、これも映画化されている一冊。で、これもすごく面白かったです。阪急電車というか、電車自体にあまりなじみのないどさんこの私ですが、なんだか生活感みたいなものを感じました。いろんな人が出てくるんですが、それぞれの設定がすごくいい。私も通院生活でJRをよく利用するようになって思ったんだけど、このワイワイうるさい高校生にも、じっと本を読んでいるサラリーマンにも、疲れた主婦風の方にも、だれにでも、物語があるんだよね。そして、帰りの成田行き飛行機のなかでこの映画をとびとびだけど見てみたんですが、キャスティングが結構はまっていて、この映画化はありかな。ただ私がいいなと思っていた冒頭で「本」が縁でくっつく二人が出てこないのはちょっと残念。
長谷川英祐「働かないアリに意義がある」(メディアファクトリー新書)「べてるの家」の本を読んでいた時に、この働きアリの2割は働かず、働かないアリをはじいても、やはり2割が働かなくなるという「2:8の法則」を知り、なるほど~と思ったわけですが、それら社会性昆虫のさまざまな研究結果を北大の進化生物学者の長谷川さんがわかりやすく書かれている本書。とても興味深いです。昆虫といえどもすごいなあ、生き残っていくために淘汰されたしくみなんだろうけれど、よく考えたなあと感心です。アリなどの昆虫と人間をすべて一緒にするわけにはいかないけれど、示唆的な事例がたくさん出てきて、「人間ってダメだな、もっといろんな生き物に学ばないといけないな」と思ってしまいます。