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みみこのneko的生活

スノーボードとねことともに・・・がんと向き合って生きる

夏の読書日記 その1

2011-08-14 21:09:04 | 本と雑誌

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①「八日目の蝉」「阪急電車」「働かないアリに意義がある」

②バリ滞在中の前半はよく晴れていました。見上げると、緑とお花と空とタコが。

③暑くないの?(みーみーちゃん)

いつもならバリでまったりしている時間帯は、読書している時間が一番長くて、いつも滞在中に5冊くらいは読んでいた気がする・・・。

でも、今年は、まったり時間が長かったわりには本も読まず、ぼへぇっと空を眺めたりしていたのですよ。

帰ってきてからの方が時間を見つけて本を読んでいるかも。そんな今日この頃です。

角田光代「八日目の蝉」(中公文庫)すごく評判の良い本書。映画化もされました。だから、ものすごい期待感を持って読みました。確かに面白かったです。最後はちゃんとかすかな希望も見えるし。子どものいない私は希和子さんに気持ち持っていかれながら読みました。その半面、それぞれの登場人物がちゃんとそれぞれに物語を持ってそこに生きていることが話に奥行きとリアルさを与えているとも感じました。そう考えると、映画じゃなくて、文字で感じてほしいお話かもしれません。

有川浩「阪急電車」(幻冬舎文庫)最近、なにかと話題に上がり、ファンも多いようですが、私はあまり読んだことがない。そして、これも映画化されている一冊。で、これもすごく面白かったです。阪急電車というか、電車自体にあまりなじみのないどさんこの私ですが、なんだか生活感みたいなものを感じました。いろんな人が出てくるんですが、それぞれの設定がすごくいい。私も通院生活でJRをよく利用するようになって思ったんだけど、このワイワイうるさい高校生にも、じっと本を読んでいるサラリーマンにも、疲れた主婦風の方にも、だれにでも、物語があるんだよね。そして、帰りの成田行き飛行機のなかでこの映画をとびとびだけど見てみたんですが、キャスティングが結構はまっていて、この映画化はありかな。ただ私がいいなと思っていた冒頭で「本」が縁でくっつく二人が出てこないのはちょっと残念。

長谷川英祐「働かないアリに意義がある」(メディアファクトリー新書「べてるの家」の本を読んでいた時に、この働きアリの2割は働かず、働かないアリをはじいても、やはり2割が働かなくなるという「2:8の法則」を知り、なるほど~と思ったわけですが、それら社会性昆虫のさまざまな研究結果を北大の進化生物学者の長谷川さんがわかりやすく書かれている本書。とても興味深いです。昆虫といえどもすごいなあ、生き残っていくために淘汰されたしくみなんだろうけれど、よく考えたなあと感心です。アリなどの昆虫と人間をすべて一緒にするわけにはいかないけれど、示唆的な事例がたくさん出てきて、「人間ってダメだな、もっといろんな生き物に学ばないといけないな」と思ってしまいます。


初夏の読書日記

2011-07-16 23:30:13 | 本と雑誌

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①「こういうこと。」「朽ちていった命」「役にたたない日々」

②みーみーとにゃんちんの安眠を妨害する白い影(ぶっちゃん)。

③「ほんとやーねー。」「でりかしーがにゃいんだから!」(にゃんちん&みーみー)

広瀬隆+たんぽぽ舎「こういうこと。終わらない福島原発事故」金曜日原発=広瀬隆とインプットされているくらい私の中では原発に関する権威です。チェルノブイリ事故後に注目を集め、私も本を読んだり、講演に行ったこともありました。ただ、このような私にとっては全うと思われる発言をされている方は一般の中ではそれほどメジャーな存在ではないのかもしれません。原子力ムラからは大きく外れ、マスコミの報道にも、また、政策を論じる委員会等にも呼ばれない存在です。多くの著書をお持ちですが、この本は原発事故後の4月30日に東京で講演されたものをまとめたということもあり、とても読みやすいです。写真やデータもわかりやすく載っています。

私自身、広瀬さんの講演には行けませんでしたが、別な講演会やパレード(デモ)などにいくつか参加しました。そうだろうとは予想していたけれど、報道されている以上に深刻な状況であることを知り、ショックを受けました。東北(また、関東や関西圏内に至るまで)は今のままではどうなってしまうのか、北海道も本当に大丈夫なのか、また、泊原発はどうしたらよいのかということも考えさせられました。

NHK『東海村臨界事故』取材班「朽ちていった命ー被爆治療83日間の記録」新潮文庫NHKスペシャルでも放送された内容をさらに詳しく書かれた本です。人というのは本当に忘れる生き物で、この本を見て、「ああ、あったなあ」と思い出した事故でした。最初はショッキングにニュース報道されたものの、その後フェードアウトし、なんとなくリアルには感じられずにいたように思います。が、この本を読んで思い出したのは、小学6年生の頃、広島の原爆記念館で見た写真や皮膚の標本の数々でした。子どもながら、本当に本当にショックだった。こんなことがあったのかと。

事故に遭われた大内さんも最初は普通に話もでき、一番被爆線量のあった右腕も少し赤くなっている程度だったのが、11日目を過ぎた頃から状況が悪くなり、26日目の写真では原爆資料館で見たような赤くただれた状態になってしまいます。

医療者がかつて見たことのないようなデータ、経緯、救うことは不可能と思われる状況のなかで、どのように患者や家族に向き合っていくのか、葛藤しながら医療行為を続けていきます。淡々と状況を追っていく文体のなかで、医療者や本人、家族の語りが出てくるのですが、本当にこんなことがあっていいのかと悔しい思いでいっぱいになります。

以前TVで、原発で働いていた夫を亡くし、労災と認められたという経験を持たれた女性のお話を聞いていて、「これは戦争だな」と思いました。人の命を命と見ない、それは戦争と同じだなと。

そして、核は踏み絵みたいなものかもしれません。人にはすべてのコントロールが可能なわけではないし、科学も万能ではない。そのことをもっと肝に銘じるべきなのではないかと思うし、生きていくなかで何が大事なのか、いま一度しっかり考えるべきなのでしょう。

佐野洋子「役にたたない日々」朝日文庫実は、最近、仕事上でいろいろ考えたり、珍しくイライラしてしまうことが続き、精神的にちょっと凹んでいました。そんななかで、読んだこの本。まさに何かにイライラしたり、怒りを爆発させたり、落ち込んだりっていう内容が主なのだけど、なぜか明るく、笑えてしまうんです。ここ一週間はこの本で随分救われました。昨年亡くなられた佐野洋子さん。絵本にも大好きなものがたくさんありますが、エッセイも天下一品です。

また、この本の中には、2年と余命宣告され、抗がん剤や延命を断り、その足でジャガーを買うエピソードも出てきます。佐野さんの生き方というか、死に方というか、そんなところも出てきて、ふむふむといろいろ考えさせられるのでした。


春の読書日記

2011-07-04 21:43:01 | 本と雑誌

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①「きょうの猫村さん」5、「ぱかぽこはしろ!」「猫語の教科書」

②「がんと一緒に働こう!」「ふたたび、時事ネタ」

③気づくと、上から下までほぼUNIQLOだった・・・という日も少なくない私。2ヶ月くらい前に買ったTシャツ「LOVE & PEACE & ・・・」シリーズの中の思わず頷く一枚。「LOVE & PEACE & CATS」!これは、by 斉藤和義です。

久しぶりの読書日記。内容はもう忘れかけているかも・・・。でも、記録のため、いっちょいってみよう!

ほしよりこ「きょうの猫村さん」5(マガジンハウス)なんだかんだでもう5。尾仁子おじょうさまの集会のくだりは思わず笑ってしまうし、ご主人と奥様のくだりはちょっとほろりとしてしまいます。そうそう、「カーサの猫村さん」も面白かったです。

ニコラ・スミー作、せなあいこ訳「ぱかぽこ はしろ!」(評論社)思わずレコードじゃないけれど、ジャケ買いしてしまった1冊。イラストがとてもかわいい。お話もかわいいので、小さな子どもたちに読み聞かせするのにもいいかもしれません。

ポール・ギャリコ「猫語の教科書」(ちくま文庫)これは大島弓子の本で知って以来、いつか必ず読まなくてはと思っていた本。にゃんこがタイプライターで打って書いた本という設定なんですが、猫飼いならばくすっと笑ってしまう箇所多数。猫ってほんとに賢くて、おもしろくて、かわいくて、魅力的です。

CSRプロジェクト編「がんと一緒に働こう!必携CSRハンドブック」(合同出版)CSRプロジェクトというがん経験者たちの就労問題を考えるプロジェクトが編集したハンドブック。今はがんになっても、治療をしながら、または、治療をして、働けるケースも多くなってきています。私もその中の一人で、職場の制度や理解ある上司や同僚たちに恵まれ、9ヶ月ほどの休職期間を経て、迷惑をかけつつも現在に至るまで仕事を続けることができています。ただ、人によっては、スムーズに話し合いなり、手続きなりが進まないケースも多いのではと思います。また、生きていれば誰にでも、がんに限らず病気や介護、出産などさまざまな形で仕事を続けることが困難になることが起こります。そんな時こそ、お金が必要ですし、心身共に支えが必要なわけです。どのように、乗り切っていくのか、そのためにどんな制度や相談機関があるのか、どのように働き続ければよいのか、などさまざまな知恵が書かれています。がんにかかった方も、また、まだかかっていない方にも存在を知っておいてほしい1冊です。

斎藤美奈子「ふたたび、時事ネタ」(中央公論新社)やっぱり斎藤さん好きです。このバッサリがすっきりで、ストンと落ちて納得。震災直前に一度読んでいたのだけれど、「原発は安全だといいきる裁判所の大胆不敵」の項には、ドキリとさせられました。


冬の読書日記

2011-01-30 21:42:56 | 本と雑誌

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①忙しくなると、夜はちょっとマンガ読んで寝る、または、即寝るパターンに・・・。積ん読本がまたどんどん高くなってきています。

②今日は、Bへ。今日も楽しく遊べましたー。

③うちの姫、みーみーです。「わらわはみみ姫じゃ」

和田竜「のぼうの城」上・下(小学館文庫)考えてみると、時代物ってあんまり読んだことないんですが、あまりに評判がいいので、読んでしまいました。読み始めると、「のぼう様」を始めとした個性的なキャラクターたち、三成2万vs忍城500という戦いにどう挑むのかというストーリーに、単純に読み物として面白さを感じるとともに、現代社会とクロスオーバーして、リーダーってなんだろうなって、考えさせられてしまうところがまたもう一つの面白さと感じました。

西加奈子「きいろいゾウ」(小学館文庫)西さんの小説は初めて読みますが、文体とかはあまり好きじゃないなあ・・・と感じつつ、なぜか最後まで一気に読んでしまいました。確か、帯に私の大好きな宮崎あおいさんがこのお話に出てくる「『ツマ』を演じたい」と書いていたのがとても印象的だったけど、私もびったりハマるだろうなと感じました。この「ツマ」さんと「ムコさん」のお話、読後感がなんとも独特なものがあり、心の奥にしまっていて、あまり人には触れられたくないものに触れられてしまったような、そんな重い、けれど、ちょっぴり爽やかな気持ちにさせられます。

城山三郎「そうか、もう君はいないのか」(新潮文庫)薄い文庫本で、行間もあるので、短い時間で読めてしまうけれど、内容はとても重いものです。城山三郎さんの著書も実は初めて読みます。城山さんご夫婦はとってもいいご夫婦だったんだなあ。でも、それだけに、やはり病気発覚のくだり、別れにはとても深い悲しみや悔いが端々ににじんでいて、読んでいてつらくなります。巻末の次女の紀子さんが書かれた文にもまた心を打たれるものがありました。

湊かなえ「告白」(双葉文庫)これまた話題の本ですが、やっと読みました。これは、う~ん・・・私はちょっと苦手なパターンです。特に、終わりがなあ。でも、よく練られていると思うし、いや~、人間ってなんだろうねと思わせられます。

斎藤美奈子「それってどうなの主義」(文春文庫)叱られるのはいやだけど、斎藤美奈子さんにならいいかもと思ってしまう私。さまざまな分野に関して、相手がなんであろうとなかろうと、バッサリと、時にはユーモアも交えつつ言い放つ斎藤さんのような人たちがまだいるのなら、まだなんとか日本は大丈夫かもと思えます。そして、私もまた「それってどうなの?」と小さな声でぼそぼそっとつぶやき続けたいと思います。   


「チロ愛死」

2010-11-21 22:48:41 | 本と雑誌

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①うちの愛しのぶっちゃんと「愛しのチロ」(1990.2 初版 平凡社)、「チロ愛死」(2010.9 初版 河出書房新社)

②手ってがかわいいみーみー。

③寝ぼけてるにゃんちん。

「生」と「死」

それは反対のようで、すごく近いものなんだなということをすごく強く感じます。

それは、自分の病気がきっかけでもあるのだけれど、以来、いろんな人の死に接して思うことでもあります。

死に向かっているチロと裸の女性。

死に向かっているチロと続いている日常。

陽子さんの死とチロの死。

骨になったチロと骨箱を抱えるアラーキー。

いつもそこにある空。

「死」が見えるからこそ、さらに「生」を強く感じ、さらに、何かがなくなっても、やっぱり日常は続いていくということ。

そんなことを「チロ愛死」から感じました。

そして、私の「生」の原動力の一つでもある「にゃんずの死を看取る」ということ。

それは、今から想像しても、すぐに涙がこぼれてしまうくらいしんどいことで、きっとペット・ロスまっしぐらだろうなと思うけれど、生きているからには避けられないこと。

「チロ愛死」は何度見ても号泣なんだけど、にゃんずの死に向かう覚悟が少しできたようにも思います。

「こんなに俺を愛してくれた女はいない」とのアラーキーの言葉だけれど、うちのにゃんたなんかまさにその通り。

tatsuをこんなに愛した女はにゃんただけかもね・・・と思います。

「チロはAの愛人生、ずーっと。」

そう、いつか亡くなってしまっても、ずーっと一緒だし、大好きな気持ちには変わりはない。

そして、今は一緒に生きている時間を大事にしていきたいなと思います。