【地動説】でスッキリ説明できるイエスの複雑な動き
前回は「火星の逆行ループ」の写真を載せたが、検索サイトで「惑星 逆行」と入力すると、他にもいろいろと面白い画像を見ることができる。たとえば、Wikipediaの「順行・逆行」には下図のような動画がある。

2003年における地球から見た火星の逆行現象(Wikipedia「順行・逆行」より)
このように地上から見る惑星の運動はとても複雑で、シンプルではない。この動きを【天動説】で説明しようとすると、周転円(説明省略。関心がある方は検索してみて下さい)を導入するなど、ややこしいことになる。しかし前回説明したように、視座を太陽系の外に移して俯瞰すると、地球を含めたすべての惑星が太陽の周りを楕円軌道で周回するシンプルな動きをしていることが分かる。【地動説】によって惑星の動きがシンプルに説明できることから、リンゴにも天体にも「万有引力」が働いているとニュートンはシンプルに考えて、数式によるニュートン力学が確立された。
イエスの旅もマタイ・マルコ・ルカの福音書では「北→南」の一方通行であるのに対して、ヨハネの福音書のイエスは東西南北を縦横無尽に動いている。特にヨハネ4章~7章では北(4章)→南(5章)→北(6章)→南(7章)と南北間を行き来している。ブルトマンら一部の聖書学者は、このような動きは不自然だとして、伝承の過程で5章と6章が入れ替わってしまった(錯簡)と主張しているほどだ。

旧約聖書と共に東西南北に動くヨハネの福音書のイエス
しかし、一見すると複雑に見えるヨハネの福音書のイエスの動きも、本ブログで繰り返し説明して来たように、イエスは上図のように旧約聖書の進行と同じ動きをしていると考えるならスッキリと説明できる。4章から7章に掛けての南北の動きも、旧約聖書の列王記の舞台が頻繁に南北間を移動していることで説明できる。惑星の動きを太陽系外から俯瞰する【地動説】によってニュートン力学が確立して、人類が「科学技術」という多大な恩恵を受けたように、聖書の読み方も早く【天動説】から【地動説】に移行して「平和」という多大な恩恵を受けるようになることを強く願う。
【地動説】で分かる父・子・聖霊の三位一体の神
聖書を【地動説】で俯瞰すると難解と言われる父・子・聖霊の三位一体の神についてもまた、分かるようになる。三位一体の神が分かるなら心は多大な平安を得るから、「平和」に大きく貢献するだろう。
前々回に示した通り、ヨハネの福音書は旧約聖書と使徒の働き(使徒言行録)が並進する下記のような構造を持つ。
創世記 ヨハネ1章 使徒1章・復活したイエス
出エジプト記 ヨハネ2章 使徒2章・聖霊を受ける
出エジプト・レビ記 ヨハネ3章 使徒2章・教会の成長
民数記・ヨシュア記 3章 使徒3~7章・ステパノ
列王記第一 ヨハネ4章 使徒8~26章・異邦人
列王記第一~第二 ヨハネ5章 神殿炎上・終末→福音書
列王記第二 ヨハネ6章 福音書・最後の晩餐
列王記第二 ヨハネ7章 十字架・復活・五旬節
列王記第二 ヨハネ8章 使徒7~8章・教会の迫害
列王記第二 ヨハネ9章 使徒9章・パウロの回心
列王記第二 ヨハネ10章 エルサレム滅亡の前夜
エズラ・ネヘミヤ記 ヨハネ11章 エルサレム滅亡・復興
福音書 ヨハネ12章 新天新地の栄光に向けて
福音書 ヨハネ13章 読者=イエスの愛弟子
福音書 ヨハネ14章~ 三位一体の神を学ぶ読者
福音書 ヨハネ18章 力を手放して捕縛される
福音書 ヨハネ19章 読者が目撃する十字架
福音書 ヨハネ20章 あなたがたを遣わします
使徒1章 ヨハネ21章 次世代への信仰の継承
さらに、この福音書の様々な聖句が大きなヒントになる。三つだけ挙げておく。
これらから旧約の時代と新約の時代の両方において、天の御子が父のことばを地上の人々に聖霊を通して伝えている様子が見えて来る。旧約の時代は預言者たちが、新約の時代は弟子たちが聖霊を受けているので、御子イエスは彼らに対して聖霊を通して父のことばを伝えている。これらを前回の図の改良図で説明する。

ヨハネの福音書を「地上の視座」からマタイ・マルコ・ルカ的に読むなら、それは【天動説】的だ。天体の【天動説】では地球が固定されていて動かないように、地上のイエスは紀元30年頃に固定されていて、時代は動かない。そして読者の視座は地上にあるので天の御父は見えない。見えたとしても淡く見えるだけだ。同様に聖霊も見えず、見えたとしても淡く見えるだけだ。
一方でヨハネの福音書を「天の視座」から霊的に読むなら、それは【地動説】的だ。天体の【地動説】では地球が一つの場所に留まっていないように、御子イエスは創世記~黙示録の「永遠」の中にいて、一つの時代に留まっていない。この「永遠」の中で御子イエスは父の「ことば」を地上の預言者たちと弟子たちに聖霊を通して伝えている。視座が「天」にあるので天の父・御子・聖霊が「地上」からよりも霊的にハッキリと見えて、父・子・聖霊が「ことば」によって一つになっている様子が見える。
このように父・子・聖霊の三位一体の神を理解するには、「ことば」(ヨハネ1:1)が大きなヒントになる。父・子・聖霊の三位一体の神は「ことば」によって一つになり、僕たちと共にいる。(つづく)
前回は「火星の逆行ループ」の写真を載せたが、検索サイトで「惑星 逆行」と入力すると、他にもいろいろと面白い画像を見ることができる。たとえば、Wikipediaの「順行・逆行」には下図のような動画がある。

2003年における地球から見た火星の逆行現象(Wikipedia「順行・逆行」より)
このように地上から見る惑星の運動はとても複雑で、シンプルではない。この動きを【天動説】で説明しようとすると、周転円(説明省略。関心がある方は検索してみて下さい)を導入するなど、ややこしいことになる。しかし前回説明したように、視座を太陽系の外に移して俯瞰すると、地球を含めたすべての惑星が太陽の周りを楕円軌道で周回するシンプルな動きをしていることが分かる。【地動説】によって惑星の動きがシンプルに説明できることから、リンゴにも天体にも「万有引力」が働いているとニュートンはシンプルに考えて、数式によるニュートン力学が確立された。
イエスの旅もマタイ・マルコ・ルカの福音書では「北→南」の一方通行であるのに対して、ヨハネの福音書のイエスは東西南北を縦横無尽に動いている。特にヨハネ4章~7章では北(4章)→南(5章)→北(6章)→南(7章)と南北間を行き来している。ブルトマンら一部の聖書学者は、このような動きは不自然だとして、伝承の過程で5章と6章が入れ替わってしまった(錯簡)と主張しているほどだ。

旧約聖書と共に東西南北に動くヨハネの福音書のイエス
しかし、一見すると複雑に見えるヨハネの福音書のイエスの動きも、本ブログで繰り返し説明して来たように、イエスは上図のように旧約聖書の進行と同じ動きをしていると考えるならスッキリと説明できる。4章から7章に掛けての南北の動きも、旧約聖書の列王記の舞台が頻繁に南北間を移動していることで説明できる。惑星の動きを太陽系外から俯瞰する【地動説】によってニュートン力学が確立して、人類が「科学技術」という多大な恩恵を受けたように、聖書の読み方も早く【天動説】から【地動説】に移行して「平和」という多大な恩恵を受けるようになることを強く願う。
【地動説】で分かる父・子・聖霊の三位一体の神
聖書を【地動説】で俯瞰すると難解と言われる父・子・聖霊の三位一体の神についてもまた、分かるようになる。三位一体の神が分かるなら心は多大な平安を得るから、「平和」に大きく貢献するだろう。
前々回に示した通り、ヨハネの福音書は旧約聖書と使徒の働き(使徒言行録)が並進する下記のような構造を持つ。
創世記 ヨハネ1章 使徒1章・復活したイエス
出エジプト記 ヨハネ2章 使徒2章・聖霊を受ける
出エジプト・レビ記 ヨハネ3章 使徒2章・教会の成長
民数記・ヨシュア記 3章 使徒3~7章・ステパノ
列王記第一 ヨハネ4章 使徒8~26章・異邦人
列王記第一~第二 ヨハネ5章 神殿炎上・終末→福音書
列王記第二 ヨハネ6章 福音書・最後の晩餐
列王記第二 ヨハネ7章 十字架・復活・五旬節
列王記第二 ヨハネ8章 使徒7~8章・教会の迫害
列王記第二 ヨハネ9章 使徒9章・パウロの回心
列王記第二 ヨハネ10章 エルサレム滅亡の前夜
エズラ・ネヘミヤ記 ヨハネ11章 エルサレム滅亡・復興
福音書 ヨハネ12章 新天新地の栄光に向けて
福音書 ヨハネ13章 読者=イエスの愛弟子
福音書 ヨハネ14章~ 三位一体の神を学ぶ読者
福音書 ヨハネ18章 力を手放して捕縛される
福音書 ヨハネ19章 読者が目撃する十字架
福音書 ヨハネ20章 あなたがたを遣わします
使徒1章 ヨハネ21章 次世代への信仰の継承
さらに、この福音書の様々な聖句が大きなヒントになる。三つだけ挙げておく。
ヨハネ1:1 初めにことばがあった。ことばは神とともにあった。ことばは神であった。
ヨハネ8:28 「あなたがたが人の子を上げたとき、そのとき、わたしが『わたしはある』であること、また、わたしが自分からは何もせず、父がわたしに教えられたとおりに、これらのことを話していたことを、あなたがたは知るようになります。」
ヨハネ14:26 「しかし、助け主、すなわち、父がわたしの名によってお遣わしになる聖霊は、あなたがたにすべてのことを教え、わたしがあなたがたに話したすべてのことを思い起こさせてくださいます。」
ヨハネ8:28 「あなたがたが人の子を上げたとき、そのとき、わたしが『わたしはある』であること、また、わたしが自分からは何もせず、父がわたしに教えられたとおりに、これらのことを話していたことを、あなたがたは知るようになります。」
ヨハネ14:26 「しかし、助け主、すなわち、父がわたしの名によってお遣わしになる聖霊は、あなたがたにすべてのことを教え、わたしがあなたがたに話したすべてのことを思い起こさせてくださいます。」
これらから旧約の時代と新約の時代の両方において、天の御子が父のことばを地上の人々に聖霊を通して伝えている様子が見えて来る。旧約の時代は預言者たちが、新約の時代は弟子たちが聖霊を受けているので、御子イエスは彼らに対して聖霊を通して父のことばを伝えている。これらを前回の図の改良図で説明する。

ヨハネの福音書を「地上の視座」からマタイ・マルコ・ルカ的に読むなら、それは【天動説】的だ。天体の【天動説】では地球が固定されていて動かないように、地上のイエスは紀元30年頃に固定されていて、時代は動かない。そして読者の視座は地上にあるので天の御父は見えない。見えたとしても淡く見えるだけだ。同様に聖霊も見えず、見えたとしても淡く見えるだけだ。
一方でヨハネの福音書を「天の視座」から霊的に読むなら、それは【地動説】的だ。天体の【地動説】では地球が一つの場所に留まっていないように、御子イエスは創世記~黙示録の「永遠」の中にいて、一つの時代に留まっていない。この「永遠」の中で御子イエスは父の「ことば」を地上の預言者たちと弟子たちに聖霊を通して伝えている。視座が「天」にあるので天の父・御子・聖霊が「地上」からよりも霊的にハッキリと見えて、父・子・聖霊が「ことば」によって一つになっている様子が見える。
このように父・子・聖霊の三位一体の神を理解するには、「ことば」(ヨハネ1:1)が大きなヒントになる。父・子・聖霊の三位一体の神は「ことば」によって一つになり、僕たちと共にいる。(つづく)