~クラーク先生と静岡学問所の学生たち~
序章 『西国立志編』の炎に迎えられたクラーク
第一章 クラークの理化学の授業とバイブル・クラス
最初のバイブル・クラス
国内最高の教育機関からの招き
クリスマス・イブ
化学のことば
第二章 育まれた大志
勝海舟による全面支援
相良油田の発見
石造りの洋館の建築
クラーク邸での催し
第三章 静岡学問所の受難と廃校
東京一極集中の政策と中村正直の転任
文部省への異議申し立て
クラークの涙
大志の丘
終章 150年後の大志の丘
※本稿は明治初期の静岡学問所に関する史実を基にしたフィクションです。登場人物の多くは実在した人物ですが、信次と順三、大吉は架空の人物です。また、クラークが化学の授業とバイブル・クラスで参照した本は分かっているものの、講義の細かい内容は不明であるため、筆者の想像を多く含みます。
【参考文献】
・E・W・クラーク顕彰事業実行委員会編『エドワード・ウォレン・クラークと明治の静岡/日本/アメリカ』(E.W.クラーク来静150周年記念シンポジウム・パンフレット)、2021年。
・George Frederick Barker: A TEXT-BOOK OF ELEMENTARY CHEMISTRY THEORETICAL AND INORGANIC, John P. Morton & Company, Louisville, KY, 1870.
・エドワード・ウォレン・クラーク『日本滞在記』(飯田宏 訳)、講談社、1967年。
・エドワード・ウォレン・クラーク『勝安房<日本のビスマルク>――高潔な人生の物語』(E・W・クラーク顕彰事業実行委員会 訳)、静岡新聞社、2023年。
・ジョン・エム・マキ『 W・S・クラーク その栄光と挫折(新装版)』(高久真一 訳)、北海道大学出版会、2006年。
・ポール・マーシャル『わが故郷、天にあらず この世で創造的に生きる』(レラ・ギルバート 協力、島先克臣 訳)、いのちのことば社、2004年。
・石田徳行「『西国立志編』と静岡~出版事情をめぐる一試論~」(上利博規・小二田誠二 編集『駿府・静岡の芸能文化』第4巻、所収)2006年。
・蝦名賢造『札幌農学校 日本近代精神の源流』新評論、1991年。
・大島正健『クラーク先生と その弟子たち(補訂増補版)』(大島正満・大島智夫 補訂)、教文館、1993年。
・影山昇『徳川(静岡)藩における近代学校の史的考察――静岡学問所と沼津兵学校および同附属小学校を中心として――』(非売品)、1965年。
・蔵原三雪「E.W.クラークの静岡学問所付設伝習所における理化学の授業――W.E.グリフィスあて書簡から――」(『武蔵丘短期大学紀要第5巻、所収』1997年。
・小島聡『「ヨハネの福音書」と「夕凪の街 桜の国」~平和の実現に必要な「永遠」への覚醒~』ヨベル新書、2017年。
・今野喜和人「E.W.クラークのNew-York Evangelist投稿記事(その4)」(『翻訳の文化/文化の翻訳』第18号、静岡大学人文学部翻訳文化研究会、所収)、2023年。
・佐野真由子「日本の近代化と静岡――幕臣たちとキリスト教と」(上村敏文,・笠谷和比古 編『日本の近代化とプロテスタンティズム』教文館、所収)、2013年。
・刀根直樹『仲立ちとしての「お雇い外国人」――エドワード・ウォレン・クラークと明治日本――』(東京大学大学院総合文化研究科超越文化科科学専攻(比較文学比較文化)平成25年度修士論文)、2014年。
・刀根直樹・今野喜和人「E.W.クラークのNew-York Evangelist投稿記事(その1~3)」(『翻訳の文化/文化の翻訳』第5~7号、静岡大学人文学部翻訳文化研究会、所収)、2010~2012年。
・半藤一利『それからの海舟』ちくま文庫、2008年。
・樋口雄彦『静岡学問所』静新新書、2010年。
・藤本満『ウェスレーの神学』福音文書刊行会、1990年。
・松浦玲『勝海舟』筑摩書房、2010年。
・三宅香帆『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』集英社新書、2024年。
・山下太郎『静岡の歴史と神話――静岡学問所のはなしを中心に』吉見書店、1983年。
・渡辺保忠「静岡におけるE・W・CLARKの住宅とその影響について」(『日本建築学会論文報告集』第63号、所収)、1959年。
【引用・参照サイト】
・静岡風景写真(クラーク撮影):早稲田大学図書館所蔵
https://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/ru04/ru04_04240/ru04_04240.pdf
・相良油田について:牧之原市ホームページ
https://www.city.makinohara.shizuoka.jp/site/kanko/805.html
・和小屋(和風小屋組)について:不動産・住宅サイト SUUMO
https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/chumon/c_knowhow/koyagumi
・『自由之理』のクラーク手書きの序文:国書データベース
https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/300025534/15?ln=ja
・静岡空襲について:静岡平和資料センター
https://shizuoka-heiwa.jp/?page_id=9
・「地球の出(Earthrise)」の写真:NASAホームページ
https://science.nasa.gov/resource/image-earthrise/
・その他、多くの項目でWikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/)を参照した。
・また、Barkerの化学の教科書の序文と中村正直 訳『自由之理』の序文を和訳する際にはDeepL(https://www.deepl.com/ja/translator)の和訳を参考にした。