知財判決 徒然日誌

論理構成がわかりやすく踏み込んだ判決が続く知財高裁の判決を中心に、感想などをつづった備忘録。

引用例組み合わせに伴う副引例の態様の変化

2008-07-27 12:25:05 | 特許法29条2項
事件番号 平成19(行ケ)10318
事件名 審決取消請求事件
裁判年月日 平成20年07月23日
裁判所名 知的財産高等裁判所
権利種別 特許権
訴訟類型 行政訴訟
裁判長裁判官 田中信義


 ・・・このように,刊行物1には,脚周り部の縁部に円弧状の弾性部材(第1及び第2弾性部材の両側部)を設け,左右の脚周り部の両側部の間の直線状の弾性部材(第1及び第2弾性部材の中央部)を切断する事項は記載されている。

ウ そうすると,刊行物1記載の発明に刊行物2記載の発明又は刊行物3記載の発明を適用して,各脚周り部の円弧状の弾性部材に交差させて他の弾性部材(第3及び第4弾性部材)を設けた場合に,左右の脚周り部の両側部の間の直線状の弾性部材を切断することは,円弧状の弾性部材と他の弾性部材とが交差する交点の間において,直線状の弾性部材を切断するということであるから,審決が,「交差によって前記股下区域の両側部に生じた前記第1及び第2弾性部材の前記両側部と前記第3及び第4弾性部材との交点の間における前記第1及び第2弾性部材の前記中央部が切断されている」との構成は,刊行物2記載の発明又は刊行物3記載の発明の第3及び第4弾性部材を採用したことにより当然もたらされる事項にすぎないと判断したことに誤りはないというべきである。原告の主張は失当である。

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