
日頃、季節の俳句を楽しませていただいているブログ「ころころの毎日が俳句・ハイク」さんが過去掲載された「おしろい花」を季語とした俳句の中から、僕の好みで三句選ばせていただいた。選んだポイントは映像がすぐに浮かんだ句である。

京都島原の廓跡は見たことがないが、熊本の二本木遊郭跡は20年ほど前までその痕跡を見ることができた。取り壊された妓楼跡に草が生い茂っていたが、その中におしろい花も咲いていたかもしれない。
本郷に残る下宿屋白粉花 瀧 春一
学生時代、お茶の水駅から東大のプールまでよく歩いて行った。昭和30年代、本郷周辺の下宿屋には多くの学生が暮らしていた。
引き抜かれゐて白粉花の咲き続く 菖蒲あや
わが家の前を通る新坂の路傍にはおしろい花がよく咲く。毎年、市の道路雑草除去が行われ、姿を消すのだが、翌年にはまたおしろい花が咲き始める。その生命力には感動する。