徒然なか話

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明治天皇御覧能 始めの日

2018-04-04 17:02:37 | 音楽芸能
 今朝、江戸東京下町文化研究会さんのサイト「今日のカレンダー」を見ましたら、「4月4日明治9年1876年 東京における能楽御覧の始め。馬場先門内の岩倉具視邸で、天皇が能を観覧する。」と書かれていました。
 これが実は明治維新で大名という後ろ盾を失い、廃れかけた能楽の再興の始まりになったようです。この数年前、使節団を率いて欧米を視察した岩倉はオペラを見せられたそうです。そして逆に外国の高官が来日した時に見せるべき国劇として「能楽」を想定したそうです。そして「能楽」の価値を高めるために「天覧能」を行なうことを計画し、まず自らの邸に能舞台を設えてやったのが明治9年の今日だったというわけです。142年前の出来事です。「天覧能」の効果は絶大で、その後、明治11年には、英照皇太后(明治天皇の嫡母)の青山大宮御所に能舞台が建設されたり、支援する華族たちの邸に能舞台が作られて天皇行幸時には必ず演能が行われたりしたそうです。こうして能楽は「日本の国劇」としての地位を確立していったんですね。
 ちなみに、明治9年4月4日の岩倉邸での能番組は「小鍛冶」「橋弁慶」「土蜘蛛」「熊坂」などだったそうです。


2014.8.2 水前寺成趣園能楽殿 出水神社薪能 金春流「土蜘(つちぐも)」


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