徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

雨に濡れたカキツバタ

2024-04-20 21:10:16 | 日本文化
 そろそろ時季かなと思い、小雨の中、立田山湿性植物苑のカキツバタを見に行った。今年もきれいな本紫(ほんむらさき)の花を咲かせていた。
 カキツバタは「燕子花」と「杜若」の二つの漢字表記があるが、「燕子花」はカキツバタが、ツバメが翼を広げた形に似ていることが由来だという。たしかに今日、花びらに雨粒を湛えたカキツバタを見ていて「なるほどな」と思った。一方の「杜若」はもともと別の植物でカキツバタに似ていたため混同されたものだという。
 カキツバタの語源については諸説あるようで、それはまた別の機会のネタにしたい。

 カキツバタと言えば古今和歌集に収められた在原業平の折句の歌が有名だが、業平は平安前期9世紀の人。その時代には既にカキツバタという呼び名が一般化していたと思われる。 
ら衣 つつなれにし ましあれば るばるきぬる びをしぞ思ふ
(唐衣着つつ慣れにし妻しあればはるばる来ぬる旅をしぞ思ふ)



立田山湿性植物苑のカキツバタ

 「潮来あやめ踊り」で知られる茨城県の潮来では、水辺植物である花菖蒲とカキツバタをひっくるめて「あやめ」というらしい。