
夕食の時、NHKのローカル番組「クマロク!」を見ていたら、旬の魚情報「田崎市場便り」で「シイラ」が紹介されていた。一緒に食べていた母が「そういえば昔は藤崎宮のお祭りのときは必ず「まんびき」を食べるのが慣わしだったね」と言った。熊本では「シイラ」のことを「まんびき」というのだが、たしかに祖母が生きていた頃には、藤崎宮のお祭りの日はお赤飯に「まんびきの煮びたし」(祖母はなまって「煮ぶたし」と言っていた)が定番のご馳走だった。「まんびき」がなぜ藤崎宮の祭りの祝い膳に乗るようになったのか由来は知らないが、こうした伝統的な習慣も時代とともに消えて行くのかと思うとちょっぴり寂しい気がした。魚好きだった祖母が亡くなってもう36年も経つが、以来、「まんびきの煮びたし」を食べたことがあるだろうか。どうも記憶がさだかでない。