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徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

八朔祭のはなし。

2022-08-01 20:58:32 | 日本文化
 今日は「八朔(はっさく)」。八朔とは「八月朔日(さくじつ/ついたち)」の略で、旧暦の8月1日のことです。
 明治6年(1873)以降、新暦に変わりましたが、「八朔」の行事は新暦の8月1日に行われる地方と旧暦の8月1日に近い9月上旬に行われる地方とに分かれているようです。
 旧暦の8月1日にあたる9月上旬頃は、ちょうど稲穂が実り始める時期。そこで収穫を前にした予祝儀礼として豊作祈願の「八朔祭」を行うようになったといわれます。田の実りを願うので「田の実の節供」と呼ばれるようになりました。農村ではユイ(結い)と呼ばれる協同労働において日ごろ恩恵を受けている人に贈答品を贈る「八朔憑(たのみ)」(田の実⇒頼み)という風習が生まれ、中世の頃から武家や公家の社会にも広がったといわれます。
 京都祇園では8月1日に芸妓や舞妓が盛装して芸事の師匠やお茶屋などに挨拶まわりをする風習が今も続いていますが、今年はあまりの暑さに芸舞妓も軽装で回ったとニュースで紹介されていました。
 9月上旬に行われる熊本県山都町の八朔祭は大造り物が町内を練り歩くことで知られていますが、約250年の歴史を持つこの祭は、町の商家の人々が産物を卸す農家をねぎらい手厚くもてなす愉しみの一つとして始めたのが起源だといわれています。
※参考文献 和歌森太郎「八朔考」 服部比呂美「八朔の馬節供」


熊本県山都町の八朔祭・大造り物(写真提供:熊本県観光連盟)



京都祇園の八朔挨拶まわり