徒然なか話

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水の都くまもと ~天皇陛下ご講演より~

2022-04-23 20:55:41 | イベント
 今日から熊本市で開幕した「第4回アジア・太平洋水サミット」では、オンラインで参加された天皇陛下が開会式での挨拶とともに、30分の記念講演をされました。天皇陛下は皇太子時代から水問題に興味を持たれ、各地で水に関する問題について講演されたり、本も出版されています。
 今回の講演の中から、冒頭の「水の都くまもと」に関する部分だけを抜粋してみました。

 人と水とが深く関わってきた熊本市において第4回アジア・太平洋水サミットの記念講演を行うことを嬉しく思います。
 熊本県は近年、残念ながら度々水害による被害に見舞われていますが、もともと山紫水明の地として知られてきました。阿蘇山、金峰山などによるカルデラ地形に特徴づけられた熊本県では、
後撰和歌集の 「年ふれば我が黒髪も白河のみづはくむまで老いにけるかな」 檜垣媼の歌に詠まれた白川、緑川、菊池川、筑後川、球磨川などは恵みの水を田畑にもたらすとともに大地に沁み込む豊富な地下水が人々の生活を支え、都市にとっての潤いと活力の源となっています。特に熊本市周辺は阿蘇山の噴火に伴う火砕流が降り積もってできた台地の上に立地しており、火砕流堆積物は水を通しやすいことなどから降った雨が良質な地下水となり、人口74万の熊本市のすべての飲料水を賄っています。人口70万を超える都市においてこのようなことを実現している例は世界でも稀です。多くの市民の皆さんが水環境の保全に取り組んでいるからこそのことであり、この熊本市はまさに清冽な水の都と言えましょう。