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徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

随兵の季節も今年は寂しく…

2020-08-26 20:53:52 | 歴史
 夕方、ツクツクボウシが鳴いていた。晩夏いや初秋を感じさせる。毎年この時季になると聞こえてくるアノ音が聞こえない。どこかの広場で藤崎宮のおまつりに備え馬追いの囃子を練習する鐘太鼓やラッパの音だ。今年は随兵などの中止が早々に決まり、なんとも寂しい秋になった。
 今日、江戸前期の天和3年(1683)に肥後藩士が記した「歳序雑話」を読んでいたら、藤崎八旛宮祭礼の話が書かれていた。当時は藤崎宮は今の藤崎台球場のところにあるので、随兵と言っても御旅所となる段山の行在所までだから距離的にはごく短い道中だ。ただ、新町の勢屯りでは奉納する供乗馬をだいぶ暴れ回らせたらしい。「クモの子を散らすように…」と表現しているので、勢屯りの中は無秩序に馬が走り回り、馬に蹴られて死者も出ていたようだ。そんな様子が島田美術館の「藤崎八旛祭礼絵巻」に見てとれる。
 来年は随兵が復活してくれればいいのだが。


随兵に供奉する神馬



江戸時代の藤崎八旛宮例大祭の様子   島田美術館蔵 「藤崎八旛祭礼絵巻」 松岡敬廉



かつては馬に蹴られて死者も出ていた