
今日の日本文化の原点は室町文化にあるといわれ、能・狂言・茶の湯・生け花などの多くがこの時代に生まれ、洗練されながら基盤を確立していったものだ。中でも能は、義満が「大和猿楽」の観阿弥・世阿弥父子を後援したことが、父子による能の大成につながり、後には武家の式楽としてその地位を確立することになった。
また、義満は世阿弥と同世代の「近江猿楽」の犬王(道阿弥)も寵愛したが、世阿弥は物真似主体の大和猿楽に、犬王の得意な天女舞を取り入れ、今日の能の舞の基礎を作り上げた。

2018.3.31 水前寺成趣園能楽殿「熊本地震義捐能」 観世流 能「羽衣」シテ菊本澄代