徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

オリンピックの光と影

2018-02-11 13:48:53 | スポーツ一般
 平昌冬季オリンピックが始まった。Niftyニュースにこんな話が載っていた。
 脱北後にアイスホッケー女子韓国代表として活躍した皇甫永さんによれば、今回、南北合同チーム要員として北朝鮮から来た選手と監督以外に2人の「監視要員」が来ているという。

 これまでも大きな国際スポーツ大会は数々の亡命事件があり、北朝鮮が神経をとがらすのはある意味当然ではある。このニュースを見て思い出したのは1964年の東京オリンピック。大学1年だった僕は、水球競技会場の補助役員としてのアルバイトの合間に、世界トップレベルの選手たちの練習風景を見るため、2、3人の仲間とともにずっとプールサイドにへばりついていた。ある日、練習会場の一つだった神宮プールに優勝候補の一つ、ソ連チームがやってきた。練習が一段落した時、一人の選手がプールサイドにたたずんでいたので、今がチャンスとばかり、僕らはその選手に駆け寄り、片言の英語と身振り手振りを交えながら、ボールテクニックについてたずねた。その選手はほとんど英語を理解できなかったが、実際にボールを手に取りながら教えてくれた。ふと気が付くと、5、6㍍離れたところから僕らのやり取りをじっと見ているソ連チームの関係者がいた。CCCP(エス・エス・エス・アール)の文字が入ったジャージを着てはいたが、選手でもコーチでもないことはひと目でわかった。その時は通訳かなにかのスタッフだろうと思ったが、鋭い視線が印象に残った。オリンピックが終わった後、先輩があるところから情報を仕入れて来た。「あれはKGBだったらしいよ。選手たちの亡命をおそれて監視していたらしい」
 オリンピックにはそういう一面もあるのだということをその時初めて知った。

東京オリンピック水球決勝リーグ
ハンガリー v s ソ連(5-2)

ソ連のカラシニコフ(白5番)とハンガリーのルショラーン(青6番)のマッチアップ