
毎日のように眺める風景である。千葉城橋の交差点から熊本城大天守を今朝写したもので、手前が崩落した東十八間櫓と熊本大神宮。
現在、大天守屋根の設置作業が行われていて、瓦の取り付けに使うしっくいは雨や湿気に弱いので、ポリエチレンのシートをかぶせた屋根が取り付けられている。
この風景を見ながらいつも思うのは、今は大型クレーンなどの重機や合成樹脂などの技術があるのでこういうことができるのだが、400年以上も前、加藤清正の築城の時は天候対策はどうしていたのだろうかということだ。熊本城築城に携わった高瀬の大工棟梁・善蔵の話をまとめた「大工善蔵より聞覚控」という古文書にも「天気の具合と潮時を御殿様(清正公)はようく見ておった」と書かれている。天候を睨みながら細心の注意を払った清正の城づくりの様子が窺える。
下の絵は豊臣秀吉の大坂城築城の様子を描いた絵図だが、この時も清正は石垣づくりなどを受け持っており、後の熊本城築城のノウハウを学習したことだろう。

大坂城 絵で見る日本の城づくり(講談社 作:青山邦彦 監:北川央)より