徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

表現の自粛

2017-03-16 15:24:22 | 音楽芸能
 昨年10月、NHK BSプレミアムで放送された紀行ドキュメンタリー番組「ニッポンぶらり鉄道旅 ~“下町の遊び心”を探して 都電荒川線~」に、江戸端唄師匠の笹木美きえさんが出演された。その時、笹木さんは「梅は咲いたか」を披露されたのだが、この唄の解釈をめぐって、番組制作サイドの、表現を自粛する姿勢に強い違和感を感じたことをご自身のフェイスブックで吐露されている。また最近発売された月刊誌「新潮45」に掲載された俳優の中井貴一さんの、この問題に対する危機感も合わせて紹介されている。
 作家の筒井康隆さんの断筆宣言騒動から20数年、言葉の不自由さはますます増しているようだ。
 下の江戸端唄「浅草詣り」もしばしば問題を指摘される唄の一つ。かつて僕らが子供の頃、大きな神社仏閣などで、参拝者が物乞いを振り払う様子を見かけたものだが、笹木さんによれば、これがよろしくない表現だと、他の言葉に置き換えて唄う方もいるという。 



 この「浅草詣り」は、長唄「越後獅子」の「何たら愚痴だえ 牡丹は持たねど 越後の獅子は・・・」という一節を歌詞を変えて唄っているもの。