徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

ベラ・チャスラフスカ ~ 東京五輪の華 ~

2010-07-28 20:50:11 | スポーツ一般
 今日の熊日夕刊の特集記事に、かつてのチェコ女子体操の名花、ベラ・チャスラフスカさんを取り上げていた。僕は東京オリンピックを想い出す時、真っ先に思い浮かぶのはチャスラフスカさんのことだ。東京オリンピックでは三つの金メダルを獲り、その美貌と均整のとれたスタイル、優雅な雰囲気で大会の女王的な存在となった。しかし、その後の彼女の人生には想像を絶するような苦難が待ち構えていた。次のメキシコ五輪を目前にした1968年6月、彼女はチェコスロバキアの民主化運動「プラハの春」に積極的に関わったことによってソ連の弾圧の対象となる。10月のメキシコ五輪には何とか出場でき、大活躍したものの、帰国した彼女を待っていたのは「国家の敵」としてのスポーツ界からの追放、そして社会的な抹殺だった。それは1989年の共産主義体制崩壊まで続いたのである。断片的に伝わってくる彼女に関するニュースを見聞きする度に心を傷めたものだ。どんな酷い目に会おうと、決して信念を曲げることのなかった、そして遂には復権を勝ちとったその精神力の強さに心から敬意を表したい。