徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

雨の日 與田準一

2010-07-04 19:27:19 | その他
 降り続く雨空を眺めながら、與田準一の「雨の日」という童謡を思い出した。大正から昭和初期に発行されていた文芸誌「赤い鳥」の大正15年11月号に掲載された作品だ。この詩に登場する二人の幼い姉妹は、海達公子とその妹・通子のことだと思われる。「赤い鳥」への投稿を通じて、公子の父、松一(貴文)と肝胆相照らす仲となった與田は、度々、荒尾の海達家へ泊りがけで訪れた。詩の中に紫陽花が詠まれていることから、作ったのは大正15年の初夏だと思われるが、ちょうどその頃、公子9歳、通子5歳だった。このしばらく後に與田は北原白秋に師事するが、白秋と海達父娘との橋渡し役も務め、公子の詩作りに多大な影響を与えることとなった。
■與田 凖一(よだじゅんいち、1905年~1997年)
 児童文学者・詩人。昭和期の日本の児童文学界において指導的役割を担った。福岡県瀬高町(現在みやま市)出身。作詞家・橋本淳の父。※Wikipediaを参照