
30年前、僕は小平に住んでいた。毎日の通勤は西武国分寺線を利用していたが、乗車する小川駅の前で辻立ちし、行き交うサラリーマンに向かって演説する白いスーツの青年を時々見かけた。その1年ほど前に転勤してきたばかりだったので、その青年が誰か全然知らなかった。やがて衆議院選挙が行なわれることになり、僕の住む東京7区から、その青年が立候補していることを知った。市川房枝さんのスタッフをしていて市民運動に熱心だということも知った。また、年齢も僕と同じと知り、妙な親近感を覚えて選挙では彼に投票した。すでに3回も落選しているという話だったが、その年の選挙ではダントツの1位で当選した。その彼が今日、総理大臣になった。これからいばらの道が続くだろうが、今日は当時流行っていた竹内まりやの「不思議なピーチパイ」でも聴きながら、お祝いをしようと思う。