のすたる爺や

文明の果てなる地からのメッセージ

老人ホーム

2024年05月04日 | 日記・エッセイ・コラム

 みどりの日でしたっけ?平成の初めごろは4月29日がみどりの日だったこともありましたが、あの時代、昭和の日よ言いにくい雰囲気がある時代でした。いまでこそ古き良き昭和になっていますが、そういえば私が小学校に入ったころ明治百年だなんてイベントがあって、明治の後半生まれの人たちが私くらいの年齢でした。今や公文書などで丸を付ける元号から明治は消えていますし、ものによっては大正もなくなっている。

 平成の初めの頃はみどりの日でも決して印象が悪くなかったけれど、昨今「みどり」を錦の御旗にすると祖谷らうさん臭さを感じる。別にどこかの都知事が悪いと言っているわけじゃないけれど、きれいごとの免罪符に持ち行ってその裏ではえげつないことをやっていそうな印象が「みどり」という言葉にまとわりついているようで、うさん臭いこと鼻持ちならない。もともと三連休にするための祝日なのだから当初の国民の休日でもよいと思う。

 昨日「せんべい持って面会に来い!」と電話をよこした叔母の面会にいわゆる一つの老人ホームに行ってきました。事前予約していないと訪問できないし、面会時間も限られていてマスク着用。中に入るには職員に自動ドアを開けてもらわねばならない。面会に来て次の面会までは2週間間をあけねばならない。いろいろ決まりがあります。刑務所の面会みたいだけど、アクリルのガラス越しに会うわけではないし、手錠をかけられているわけでもない。

 職員に案内されて叔母の部屋に行くとき、ちょうどラウンジでテレビを見ていましたが、その前を通りすぎる私を見て「白髪頭になったら、あんちゃんの幽霊が通ったのかと思った。」父と似ているようです。

 3年前に脳梗塞を患って左手と足に支障が出ているので、車いす生活になっていますが、歩いて歩けないわけではない。でも、転んで骨折でもすると治らないからと車いすの乗り降りのたびにスタッフを呼んで介助してもらっているんだそうです。なので、大量のせんべいはスタッフの手土産で、だったらもうちょっと甘いもんでも買ってくればよかった。

 私と同級生の息子は両肩が上がらず改造手術するのだとかで、来月の同窓会に出てこられるのかな?その時にはこちらに来るので面会できるか?

 同窓会と言えば同級生が老人ホームに勤めているけれど、もはや老々介護のような絵柄になっているんだろうな?昔から老け顔だったから。

 なんたら保険で負担は増えるけれど介護の仕事に就く人たちの給与がよくなるわけでもない。中間搾取が増えるだけで、「みどり」と同じく、否、それ以前に「福祉」も胡散臭い言葉になってしまっている。叔母ともそんな話をしましたが、生老病死が病院と言う施設に移って目隠しされただけで、決して身の上から消えたわけではない。かつては自宅や近所で看ていたことが専門業者に委託されただけでしかない。

 私は寝たきりになった父親の介護をしていましたが、120人待ち、毎月10人死んでも空きが出るまで1年。半導体不足で納期が遅れた自動車産業みたいでした。こうして施設に入れる順番待ちしている間に死んじゃったので、果たして自宅介護がよかったのか?という悔いは残りますが、どっちにしても悔いは残るので悔悟って言うんでしょうね。

 雷様に労務管理されている都合上、なかなかお休みの予定が組めないのでまたそのうち面会に行きますよ。今度は甘いお菓子持って。

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