ボクの奥さん

ボクの奥さんは、甲斐よしひろさんの大ファン。そんな彼女との生活をお話したいと思います。

小ネタはつづくよどこまでも3

2020-03-30 14:18:00 | 日記
甲斐さんは「やっぱNHKは攻めてんなと…チコちゃんだけ攻めてるんじゃなくて
全体的に攻めてるなという感じがねぇ、すごいしますね、ホント…」とおっしゃってましたが
このドラマを作ったことは元より、ドラマの中の制作者たちもかなり攻めていて…(笑)

「空陸一体カット」の次は「1カット13人斬り」のシーンへ…
ドローンにハイスピードカメラを取り付けて、迫力ある映像を撮りたい…と言う国重監督に
ドローンに搭載するのは小型軽量のカメラしか無理だ…と田所さん
その代わり…と登場したのが、ハリウッドのアクション映画でも使われているというジンバル

カメラマンの腰に太いベルトを巻きつけ、そこに小型のクレーンのようなアームをセット
クレーンの先に搭載されたハイスピードカメラは、常に水平を保てるため
360度どんな角度からでも撮影可能というスグレ物

ただし、総重量が12キロあるため、68歳の武藤さんは「アカン!腰いわしてしまう」と
急遽、日本一のオペレーター「ラオウ」に依頼することに…
ハリウッドでも引っ張りだこという凄腕のオペレーターを演じるのは藤本隆宏さん
(福岡県出身、183センチの元競泳選手とあって、ワイルドな「ラオウ」感満載の方です(笑))

7倍なら24秒弱、8倍なら21秒弱しか撮影時間がないにも関わらず
ワンカットで13人を斬ると聞いて「アニメじゃあるまいし…」と呆れ顔
が、国重監督いわく…「今のところ、7倍スピードまでこぎつけとる」(笑)

監督とラオウさんが、その13人斬りの殺陣の稽古を見に行くと…
大部屋の斬られ役の皆さんが、次々と襲いかかるのを、バッサバサと斬り捨てるシゲちゃん
でも、肝心のタイムは7倍スピード相当の23秒台…

でも、シゲちゃんのライバル・朽木城太郎役の中村獅童さんが
昔のチャンバラみたいにリアルな迫力がなくなるから、これ以上、手数を省きたくないと主張
一方、殺陣師役のモロ師岡さんは、人数を減らすのが一番だと監督に進言

すると、シゲちゃんが「このままやらせて下さい!
ワシがもうちょっと速く動けたら、ナンとかなると思います」と嘆願するも
「お前の打ち込みがこれ以上速くなったら、ホンマに怪我人が出るで!」とモロさん

それには耳を貸さず「もういっかい合わせるぞー!」と
再び稽古を始める役者さんたちを見て
ラオウさんは「まともじゃないぜ、この人ら」と更なる呆れ顔(笑)

そこへ実家の和菓子屋を継いでいるシゲちゃんの奥さん(水野美紀さん)が
大福餅を差し入れにやって来るんだけど
元「くの一」女優の血が騒ぐのか?腰に小道具の脇差しを忍ばせ「備えあれば憂いなしや」と…(笑)

スタジオにも差し入れを…と顔を出した途端、その後ろから城太郎さんらがやって来て
「待て!そこの女、黙ってその大福を置いていけ!」(笑)
「イヤだと言ったら…?」という小芝居が始まり(笑)

かつての「如月小雪」そのまんま、キレッキレの立ち回りを見せるシゲちゃん夫人に
思わず「回せ!」とジンバルのLECボタンを押させるラオウさん(笑)
まあ「ここには、ああいう人間ばっかりいるのか?」と三たび呆れてはいるんですが…(笑)

少林寺拳法を修められ、倉田アクションクラブで磨き上げられた水野さんのアクションは
甲斐さんご贔屓の「ミスパンダ(笑)」も将来はかくやという素晴らしさでした♪

あっ、ちなみに城太郎さんは、この「大部屋のマドンナ・如月小雪」に
憧れ以上の気持ちを今も胸に秘めているらしく
時折、刺すような目でシゲちゃんを見ていることが…(汗)

そしていよいよ「ワンカット13人斬り」の当日
ラオウさんが「(撮影スピードは)何倍で行きましょうか?」と訊ね
国重監督が「どうや?みんな」と、シゲちゃん達に声をかけると
全員が口を揃えて「8倍でお願いします!」(笑)

道の前後に敵が現れたのを見て、近藤勇がゆっくりと草履を脱ぎ捨て
編笠を放り投げたところから、ハイスピード撮影がスタート
稽古の時と全く同じ殺陣で、13人を斬って行くシゲちゃんと
ジンバルを軽々と操るラオウさんの姿がカッコいい!

もっとも、内野さんによれば…クオリティの高い画質のスーパースロー撮影では
通常の「斬ったふり」「斬られたふり」の殺陣が通用しなくて
リアルに見せるためにずいぶん苦労なさったんだとか…

ともあれ…「20秒82、ぎりぎりハマってます」ということで
たった今、撮影した映像をチェックするシーンへ…
再生されるスーパースロー映像のバックでは、昔の時代劇でよく耳にした「弦」の音…

ドロドロドロドロという低音に始まり、キュイ~ンキュイ~ンと徐々に高くなる音が入って
キュルキュルキュルキュルという悲鳴のようなバイオリンなど…が
この21秒弱の殺陣シーンにメリハリをつけていて「無声映画」みたいでした(笑)

ラオウさんの「俺の辞書にテイク2の文字はない」との言葉通り
このシーンは、一発OKとなり、全員が大喜びする中
「シゲさん、あんた、ホントにスゴイよ!」とラオウさん

「イヤ、そんな…」と照れるシゲちゃんに
「あの凄腕の女をカミさんにしてるなんて、頭が下がる」と…(笑)
「そっちですか…」と脱力するシゲちゃんにハゲ同の我が家でした(笑)

ただ、この時も城太郎さんは苦々しい顔で舌打ち(汗)
その常日頃から積もり積もっていた感情に、今回のシゲちゃんの抜擢が重なり…

「池田屋階段落ち」の撮影前日に、シゲちゃんが「明日で短かった夢の時間も終わりや
分不相応な幸せいうんは、いつまでも続かんもんやな
とにかく、悔いのないようにきっちり仕事して
元の分相応の斬られ役人生に戻りますわ」…と口にした途端、ついに爆発(汗)

「ホンマにムカつくわ!あんたほど分不相応な幸せもんはいてへん
ワシが惚れてた女優、女房にして、あんな可愛い子供2人も作って
愛妻弁当、毎日持たされて、それのどこが不幸じゃ!

セリフひとつまともに言えんような大根役者のくせに!
時代劇のスターさんに可愛いがられて、宝くじに当たるように主役に抜擢されて!
この道でメシ食うてて、近藤勇をやれるやなんて、どんだけの幸せか判っとんのか!
ワシがな、ワシが近藤勇やれるんなら死んでもええ…

それをナンや!『しっかり仕事して』?ナンや、お前
『元の斬られ役に戻りますわ』て、どこまで自惚れてんねん!
ワシら大部屋仲間が、どれだけあんたのことを羨ましい思うてたか
どれだけ悔しい気持ちであんたを見てたか、あんたには判らへんやろ

ワシは、幸せなあんたが羨ましい
羨ましいから、それを判らへんあんたは許さん!
主役や思て、気い抜いたらエライ目に遭うで
少なくてもワシは、あんたを真剣に斬りに行くよってな!覚悟しとけ」

…と、悔し涙を流しながら、胸ぐらを掴んで怒鳴りまくる城ちゃんに
言葉もなく打ちのめされるシゲちゃん
中村獅童さんのエセ関西弁も気にならないくらいのド迫力と
投げつけられる言葉の一つ一つに、表情だけで感情を表現する内野聖陽さん
このドラマが単なる最新技術の「ひけらかし」番組ではないことを印象づけるシーンでした

余談ですが…国重監督と田所さんが「13人斬り」の撮影について話し合うシーンで
お二人がお酒を酌み交わしていた小料理屋?の壁に
「日本映画の父」と呼ばれた牧野省三監督…って
長門裕之さん、津川雅彦さんご兄弟のお祖父様と言った方が判りやすいかも?

のモットー「1スジ、2ヌケ、3ドウサ」が書かれた額が飾ってあり
まさに、このドラマは「脚本、撮影、演技」すべてにおいて
この言葉通りのものになっているなあと…
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