ボクの奥さん

ボクの奥さんは、甲斐よしひろさんの大ファン。そんな彼女との生活をお話したいと思います。

機関紙BEATNIK(Vol.24)その1

2016-06-26 10:04:00 | 日記
1983年12月号の表紙の言葉は
「この刑務所から出してくれれば
真人間になります」って言ったら看守が言った
「ここには真人間なんていくらでもいるんだぜ」〜カルヴィン・リーヴィ〜

【カミンズ・プリズン・ファーム】の歌詞の一部です
この言葉だけをを読むと「なかなかイキな看守だな」という感じで
ニヤッとしそうなんだけど

実際は、アーカンソーのカミンズ刑務所で
白人によって行われていた囚人(黒人)殺しに対する怒りを歌ったもので
アメリカ南部でヒットした曲

鉄格子をアルミカップで叩くような音から始まる「どブルース」
甲斐さんが物凄くお好きそうな曲ですね(笑)

この号の特集は「マイ・フェバリット・ソングス」
「甲斐バンド・この1曲」コラム特集♪

「同じ甲斐バンドの曲でも、聴く人によって
思い入れの仕方が全く違っていたりする
甲斐バンドは、ヒット曲、代表曲を問わず、それぞれの曲に対して
思い入れをしている人達が多いバンドだ
誰がどんな曲に、どんな思い入れをしているのかをまとめてみよう」

…ということで、17名の方々の「この1曲」が掲載されてるんだけど
その中から幾つかをサクッと(笑)ご紹介します

まずは、鈴木力さんの【ダイナマイトが150屯】から…
かつての大ヒット曲をリメイクした作品というのは
オリジナルの持つ衝撃力を失って
「売れセン」を狙ったイヤらしさが鼻につくし
ほとんどが聴くに耐えないものになってしまう

ことに、小林旭という凄まじいクサミを持つ大スターの歌となれば
まあ、やめといた方が無難なのだ
しかし、甲斐よしひろは、このクササを自分のクサミとして引き受け
なんとも見事に表現してくれた

「ダイナマイトが…」はテロリストの歌だと思う
カラスもトンビも何もかも邪魔するヤツは
ダイナマイトでぶっ飛ばしてしまうのだ
かつての、やたらにカッコをつけたアキラの
その実、とてもブカッコウだった精神のテロリズムを
甲斐よしひろにダブらせてしまう僕の感性は、ナカナカに正解だと思うのだ

ロックンロールは、本来、精神をテロってしまう音楽だったはずなのに
何やらやたらに気持ちいいだけのサウンドに縛りつけられ
歌い手だってちっとも苛立っちゃいない

甲斐は、そのテロリストぶりを本当は解っちゃくれてないかも知れない
聴衆の前に投げ出した
ダイナマイトを派手に炸裂させてくれた
時折、おとなしくなっちまったな、と自分がセコく感じられた時に
この甲斐の歌を聴く…そうです

続いては、西一雄さんの【マドモアゼル・ブルース】
僕とHは、同じ大学の同学年同学部だが、知り合ったのは4年の5月だ
就職シーズンで、大手出版社の面接会場で隣に座ったのがHだった

1ヶ月後、ある出版社の筆記試験会場で
「おい、ここに2千人いて、その内20人も受からない訳だろ
俺たちが2人とも受かるケースって、ほとんどないな」と顔を見合せて笑った

1ヶ月後、僕たちは2人とも最終面接に残っていた
「こいつが落ちれば、俺は受かるんだろうか?」
僕はそんな考えがよぎったことに少しだけ慌てた
「こいつが落ちたら…俺も落ちるな」
そう思って、ニタリと笑ってしまった

半年後、僕たちは違う編集部に配属になった
1年後、Hは結婚した

原宿に「シネマ・クラブ」というカフェ・バーの走りみたいな店があって
ある晩、1人で飲んでいたら、偶然Hが入って来た
痩せた「とんがった感じ」の男と一緒だった
「僕の友達の甲斐くん」と紹介された

スナックを何軒かハシゴした
「俺は、来年きっと有名になるぜ」
甲斐よしひろは言った「ふーん」
「HERO」は翌年、空前のヒットとなり、僕とHは何回か祝杯をあげた

その年の暮れ、僕とHは、新宿の女の子のいるクラブにいた
Hには子供が生まれていた
子供と妻のいる家庭を守り、幸福のためには
決して自分を投げ出すようなことをせず、暖かな笑顔
「俺はいつになったら、Hみたいに大人になれるんだろう」
そう思いつつ飲んだ

「何かお歌いになります?」女の子に訊かれ、Hが上機嫌で言った
「俺、甲斐くんの曲で好きな歌あるんだ」
Hは、コースターの裏に堅実そうで、しっかりした字で
「マドモアゼル・ブルース」と書いた

僕は笑った。そしてまた「こいつみたいには、俺はやれっこない」と思った
ひどく悲しくて、おかしな気分だった
そして僕はまだ家庭を持てないでいる
Hには2人目の子供が生まれた

…って、何気に甲斐さんが「シネマクラブの君(笑)」と
甘酸っぱいスイーツを召し上がったお店が登場してますが
西さんのこの曲にまつわるエピソードは、ちょっとホロ苦いですねぇ

さて、次は「コンサートで聴いたことはないが好きな曲のひとつ」
と「熱狂」を選ばれた堀内丸恵さん

出来立てのテープを聴き、こんなことを思った
「気に入った映画に出会って、上映後、場内が明るくなった時に
かかって来たら決まるな」

結婚式の花嫁のお色直しの時にかかる「花嫁人形」
両親への花束贈呈で「かあさんの唄」など(例がよくなくて申し訳ないが)
あるシーンにピタッとハマる曲というのがある

「熱狂」は、たった今の感動がおさまらず、気持ちが高ぶったいる時
優しく、鎮めてくれるように流れて来るとピタッと来る

1979年の武道館、「きんぽうげ」から「100万$ナイト」まで
音楽とは、それほど深いつきあいのない僕だけど
その夜、集った少年少女と変わらぬような時間を
共に過ごしたという錯覚にとらわれたくらいだった

全てが終わって、場内をなかなか去らぬ客を
武道館の灯りが照らした時「熱狂」が流れて来た
この曲はこの時のために作られた曲かなと思うほど
その時の我々の気持ちに溶け合って来た

気負いもなく、自分たちの今までと、今と、これからを
一人一人の客に語りかけていた
音楽を生業とする甲斐よしひろとメンバーの息づかいと生活が感じられた
「熱狂」は、幕が降りた後
化粧を落とした役者に会ったような気分にさせる曲だ

今はもう、ライヴ後にこの曲が流れることはないみたいですが
堀内さんだけではなく、小橋健太さんや船越英一郎さんも
この曲のファンでいらっしゃるし
当時のライブに参戦された方の間で
根強い人気を誇っているんでしょうね?

余談ですが…BIGGIGが終わった後には
【Power to the people】が流されるはずだったのが
ラストで電源が飛んでしまって、幻となったそうだ
今度の野音では、SEも同じセトリでやって下さいませんかね?(笑)
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