藤井聡太四段といえば、今まさに「時の人」ですが
あまり将棋に興味がない我が家の、甲斐さん関係のファイルから
ナゼか「史上最年少でプロ棋士になる中学2年生」という
去年9月の切り抜き記事が出て来てビックリ!(笑)
「大の負けず嫌いで、反則負けを喫した後
泣きながら将棋盤にしがみついて離れなかった」という
将棋教室時代のエピソードは
今の大人びた藤井四段からは想像しにくいんだけど
「大の負けず嫌い」だからこそ、今の強さがあるのかなあと…
破竹の連勝が止まった際に、勝者である佐々木勇気五段よりも
藤井四段の表情が大きく取り上げられていたことも
注目度の高さを物語っていますが
28連勝でタイ記録に並ばれた時の神谷広志八段が
「無敗で並ぶ人が現れるとは夢にも思いませんでした」と
藤井四段の強さを讃えつつも
「心の片隅に、次の対局で負けてくれないかなという思いが…(笑)」と
話されていたのが、お茶目でした(笑)
全国の将棋教室に問い合わせが殺到しているとか
対局の「勝負メシ」で話題になった
蕎麦屋さんにも行列が出来ているという藤井四段ブームの中
師匠でいらっしゃる杉本昌隆七段はもちろん
加藤一二三九段を始め、藤井四段と対局なさった棋士の皆さんも
メディアの注目を集めておられますが
その中で、羽生善治三冠の書かれたコラムが興味深かったので
幾つかご紹介したいと思います
まずは、メジャーリーグ球団のGMビリー・ビーンが
「セイバーメトリクス」と呼ばれる統計的な手法で
チームを再建した実話に基づいた映画「マネーボール」をご覧になって…
「チーム作りの際、目利きのスカウトが『足が速い』『肩が強い』などの
長所を備えた選手を探し出すのが従来のやり方だが
ビーンは『出塁率』『長打率』などの数字を重視した
懐疑的な声も多かったが、レギュラーシーズンで
毎年、プレーオフに進出するなど成果を上げた
短期決戦のプレーオフでは苦戦し、弱点も露呈したが
その手法の優秀性を証明した
データ分析が花盛りという点では、将棋界もその流れの中にある
一つの局面をデータベースで検索すれば
勝率だけでなく、いつ、誰の対局で現れたか?や
その後、どのように進行したか?が、すぐに判る
データ上、分が悪いと、その局面の形勢も悪いと判断しがちだが
過去の結論が覆された例は、いくらでもある
将来性も加味して、自分で考え判断する作業を
怠ってはならないと戒めている」と記されていたり
ご自身の著作の中でも「従来『悪い手』だと考えられていたものが
実は『良い手』だったと、人工知能が発見するかも知れない
私たち棋士が現在見ているのは
将棋のほんの一部の可能性に過ぎない」と、おっしゃっていて
三冠と呼ばれていらしてもなお
将棋の深さに対峙され、将棋界の未来に目を向けておられるんだなあと…
続いて…「高速で車を運転している男性が、見知らぬトレーラーに追われ
命の危険にさらされる、スピルバーグ監督のデビュー作
『激突!』は、見る人を恐怖に陥れる傑作だ
低予算、短期間での撮影を余儀なくされた映画ゆえ
演出の秀逸さが際立っている
単純な構成だが、最後まで目が離せなかった
将棋においても恐怖心はつきものだ
覚えたての頃、王手をかけた時に
つい『王手』と口にしてしまうのは
戦っている恐怖から、一瞬、逃れられるからだろう
しかし、そうした感情の揺れは、時に思考の妨げとなる
相手が攻めて来た時に恐怖を感じても
『ここまでは大丈夫』と見切る冷静さを持ち合わせているかどうかが大切だ」と記されてますが
甲斐さんも、かつて「虜」を作られた際に
ボブ・クリアマウンテンの手がけたエコーの感じが
日本のそれとは奥行きのスケールが違い過ぎて
「物凄く怖くなって来る」と話され
「そのために大金かけて、いくつかの部分を犠牲にして
(NYまで)やって来てる訳じゃない?
そういうものが、だんだん肩にのしかかって来る
そういう怖さをなくすために、ホテルに戻って、聴いて
これで良いんだっていう自信を得て
また次の日、スタジオに出かけて行く訳ね
あの時、凄く思ったんだけど
人間を一番強くするのは『恐怖心』なんだって」と、おっしゃっていて
お二人とも、ご自身(の実力や感性)に対する信頼感、自信の拠り所というものを
客観的に判断することと闘っておられたんじゃないかと…?
ともあれ…「そうは言っても、人間の感情は、瞬時に揺り動かされる」と羽生さん
「例えば、映画『ジョーズ』の音楽は
数秒間聴いただけでも不安や恐怖を感じる
ただ、裏を返すと、人間の想像力がそれだけ豊かなのだとも言える
想像力は勝手に発達するものではない
映画鑑賞や読書は、それを磨く良いきっかけになるだろう
そうした経験が乏しいと、想像力を駆使する機会が少なくなり
『創造力』も弱まるのではないか
CGやバーチャルリアリティーにより
実在しないものをイメージしやすくなった時代だが
『想像と創造』の関係性は、今後も不変だろう」と結ばれてるんだけど
これは、甲斐さんファンの皆さんには、デジャヴュ感満載ですよね?(笑)
余談ですが、このコラムを読んだ時
奥さんは「ジョーズの音楽」に反応してまして…
ある甲斐友さんが、ライブ参戦のため、遠征先のホテルに泊まった翌日
ホテルのプールに行ったところ
そのプールは、2つのコースを使って往復するようになっていたらしく
甲斐友さんは「ゆっくり泳ぎたい」と思っていたものの
男性がお一人、先に泳いでおられたため
途中で追いつかれたりして「邪魔になるかも知れない」と躊躇ったそうです
でも、その男性も割とゆったりしたペースでいらしたので
男性が「往」のコースの端まで行かれたタイミングで泳ぎ始め
3回ほど、それぞれのコースでスレ違いながら、泳ぎを楽しんでいると
何を思ったか?その男性が「往」のコースから「復」のコースへ移らずに
そのまま「往」のコースを「逆泳(笑)」して来られ
「えっ!?」と驚いた甲斐友さん
でも「私は間違ってないんだし…」と泳ぎ続けている内に
相手との距離が縮まり…その男性が「甲斐さん!?」と気づいたんだとか…(笑)
たとえ、相手が甲斐さんじゃなくても
一つのコースで泳ぎながら人とスレ違うのは
それなりにドキッとするものだと思うんだけど…と奥さん
一掻きごとにドンドン近くなる甲斐さんを想像して
思わず「ジョーズの音楽」が、口をついたみたいです(笑)
ちなみに…その甲斐友さんとジョーズさん(笑)は、ぶつかる直前に
ジョーズさんが、サッと避けて下さったため、事なきを得たらしい(笑)
あまり将棋に興味がない我が家の、甲斐さん関係のファイルから
ナゼか「史上最年少でプロ棋士になる中学2年生」という
去年9月の切り抜き記事が出て来てビックリ!(笑)
「大の負けず嫌いで、反則負けを喫した後
泣きながら将棋盤にしがみついて離れなかった」という
将棋教室時代のエピソードは
今の大人びた藤井四段からは想像しにくいんだけど
「大の負けず嫌い」だからこそ、今の強さがあるのかなあと…
破竹の連勝が止まった際に、勝者である佐々木勇気五段よりも
藤井四段の表情が大きく取り上げられていたことも
注目度の高さを物語っていますが
28連勝でタイ記録に並ばれた時の神谷広志八段が
「無敗で並ぶ人が現れるとは夢にも思いませんでした」と
藤井四段の強さを讃えつつも
「心の片隅に、次の対局で負けてくれないかなという思いが…(笑)」と
話されていたのが、お茶目でした(笑)
全国の将棋教室に問い合わせが殺到しているとか
対局の「勝負メシ」で話題になった
蕎麦屋さんにも行列が出来ているという藤井四段ブームの中
師匠でいらっしゃる杉本昌隆七段はもちろん
加藤一二三九段を始め、藤井四段と対局なさった棋士の皆さんも
メディアの注目を集めておられますが
その中で、羽生善治三冠の書かれたコラムが興味深かったので
幾つかご紹介したいと思います
まずは、メジャーリーグ球団のGMビリー・ビーンが
「セイバーメトリクス」と呼ばれる統計的な手法で
チームを再建した実話に基づいた映画「マネーボール」をご覧になって…
「チーム作りの際、目利きのスカウトが『足が速い』『肩が強い』などの
長所を備えた選手を探し出すのが従来のやり方だが
ビーンは『出塁率』『長打率』などの数字を重視した
懐疑的な声も多かったが、レギュラーシーズンで
毎年、プレーオフに進出するなど成果を上げた
短期決戦のプレーオフでは苦戦し、弱点も露呈したが
その手法の優秀性を証明した
データ分析が花盛りという点では、将棋界もその流れの中にある
一つの局面をデータベースで検索すれば
勝率だけでなく、いつ、誰の対局で現れたか?や
その後、どのように進行したか?が、すぐに判る
データ上、分が悪いと、その局面の形勢も悪いと判断しがちだが
過去の結論が覆された例は、いくらでもある
将来性も加味して、自分で考え判断する作業を
怠ってはならないと戒めている」と記されていたり
ご自身の著作の中でも「従来『悪い手』だと考えられていたものが
実は『良い手』だったと、人工知能が発見するかも知れない
私たち棋士が現在見ているのは
将棋のほんの一部の可能性に過ぎない」と、おっしゃっていて
三冠と呼ばれていらしてもなお
将棋の深さに対峙され、将棋界の未来に目を向けておられるんだなあと…
続いて…「高速で車を運転している男性が、見知らぬトレーラーに追われ
命の危険にさらされる、スピルバーグ監督のデビュー作
『激突!』は、見る人を恐怖に陥れる傑作だ
低予算、短期間での撮影を余儀なくされた映画ゆえ
演出の秀逸さが際立っている
単純な構成だが、最後まで目が離せなかった
将棋においても恐怖心はつきものだ
覚えたての頃、王手をかけた時に
つい『王手』と口にしてしまうのは
戦っている恐怖から、一瞬、逃れられるからだろう
しかし、そうした感情の揺れは、時に思考の妨げとなる
相手が攻めて来た時に恐怖を感じても
『ここまでは大丈夫』と見切る冷静さを持ち合わせているかどうかが大切だ」と記されてますが
甲斐さんも、かつて「虜」を作られた際に
ボブ・クリアマウンテンの手がけたエコーの感じが
日本のそれとは奥行きのスケールが違い過ぎて
「物凄く怖くなって来る」と話され
「そのために大金かけて、いくつかの部分を犠牲にして
(NYまで)やって来てる訳じゃない?
そういうものが、だんだん肩にのしかかって来る
そういう怖さをなくすために、ホテルに戻って、聴いて
これで良いんだっていう自信を得て
また次の日、スタジオに出かけて行く訳ね
あの時、凄く思ったんだけど
人間を一番強くするのは『恐怖心』なんだって」と、おっしゃっていて
お二人とも、ご自身(の実力や感性)に対する信頼感、自信の拠り所というものを
客観的に判断することと闘っておられたんじゃないかと…?
ともあれ…「そうは言っても、人間の感情は、瞬時に揺り動かされる」と羽生さん
「例えば、映画『ジョーズ』の音楽は
数秒間聴いただけでも不安や恐怖を感じる
ただ、裏を返すと、人間の想像力がそれだけ豊かなのだとも言える
想像力は勝手に発達するものではない
映画鑑賞や読書は、それを磨く良いきっかけになるだろう
そうした経験が乏しいと、想像力を駆使する機会が少なくなり
『創造力』も弱まるのではないか
CGやバーチャルリアリティーにより
実在しないものをイメージしやすくなった時代だが
『想像と創造』の関係性は、今後も不変だろう」と結ばれてるんだけど
これは、甲斐さんファンの皆さんには、デジャヴュ感満載ですよね?(笑)
余談ですが、このコラムを読んだ時
奥さんは「ジョーズの音楽」に反応してまして…
ある甲斐友さんが、ライブ参戦のため、遠征先のホテルに泊まった翌日
ホテルのプールに行ったところ
そのプールは、2つのコースを使って往復するようになっていたらしく
甲斐友さんは「ゆっくり泳ぎたい」と思っていたものの
男性がお一人、先に泳いでおられたため
途中で追いつかれたりして「邪魔になるかも知れない」と躊躇ったそうです
でも、その男性も割とゆったりしたペースでいらしたので
男性が「往」のコースの端まで行かれたタイミングで泳ぎ始め
3回ほど、それぞれのコースでスレ違いながら、泳ぎを楽しんでいると
何を思ったか?その男性が「往」のコースから「復」のコースへ移らずに
そのまま「往」のコースを「逆泳(笑)」して来られ
「えっ!?」と驚いた甲斐友さん
でも「私は間違ってないんだし…」と泳ぎ続けている内に
相手との距離が縮まり…その男性が「甲斐さん!?」と気づいたんだとか…(笑)
たとえ、相手が甲斐さんじゃなくても
一つのコースで泳ぎながら人とスレ違うのは
それなりにドキッとするものだと思うんだけど…と奥さん
一掻きごとにドンドン近くなる甲斐さんを想像して
思わず「ジョーズの音楽」が、口をついたみたいです(笑)
ちなみに…その甲斐友さんとジョーズさん(笑)は、ぶつかる直前に
ジョーズさんが、サッと避けて下さったため、事なきを得たらしい(笑)