「バッテンライ」という映画がシネマート新宿で公開されているので、建コン協関東支部の野球大会の応援の前にと昼前に観に行った。
バッテンライとは、「八田来」と書き、八田が来たという意味だ。
八田は、日本の土木技師で、日本が占領していた時代の台湾で、荒れた大地のなかでダムや水路などの灌漑施設を造っていく過程が描かれているアニメ映画だ。
何年か前だったが、土木学会会館で琵琶湖疏水の工事をした田辺朔郎が主人公の映画を観たことがある。その時の感動は強く残っていた。そのイメージで観にいったの
だが、このバッテンライは、土木技術という側面もあるが、むしろ、荒れ果てた地に灌漑施設を造ることを疑う地元の農民達とその農民の子、日本人技師の子といった人間模様もあわせて描かれていた。
おそらく子供が見ても良いようにと映画は作られたのだろうが、もっと土木技術の面を強く出して、大人の鑑賞に堪えられる様な映画にして欲しかった。
それでも、建築に比べると著名な土木技師の名前はまだまだ一般には知られていない。そういった意味では、この八田技師は、日本では馴染みがないかもしれないが、台湾では今でも慕われているそうだ。
映画を観終わって、席を後にしたとき、家族づれのお父さんが子供に、どうだ土木技師になりたくないかと言っていた。お父さんは土木に関わっているのだろう。子供の返事は聞こえなかったが、小学生くらいの子供と行くには良い映画だと思う。