こだわり米専門店スズノブ 西島 豊造(五ツ星お米マイスター)の豊かに造ろう

様々な現実を見つめらがらも、日々を前向きに考えて進んでゆくためのブログです

もう書いてもいいだろう

2009年05月06日 23時59分04秒 | Weblog
 もう次の号になってしまっているので、今なら書いても良いだろうと思ってので書くことにする。

2009年5月4日号の日経ビジネスの特集は、『企業発 儲かる農業「家業」から「産業」へ3つの条件』だったのだが、実はその中に、北海道米のブランド化についての記事があった。
しかし、その内容は、ホクレンにとっても、ほとんどの北海道の生産者にとっても、一番触れてほしくない部分だったに違いなかっただろう。

「ブランド米」というのと「売れている米」というのと「知られている米」というのは違うのだか、ほとんどの産地や生産者は、この3つの言葉を混同して考えてしまっている。
少し産地名が消費地で話題になれば、すぐに「自分たちの米は売れている」と思い込んでしまうし、自分たちの地域に、他の産地や生産者などが視察に来れば、その産地と「肩を並べた」とか「自分たちが上位に立った」などと思い込んでしまう。
そして、北海道米も、まさにそうだった。

自分が北海道に乗り込んでいって、「北海道米のブランド化」を始めると言ったときから、自分は口を酸っぱくして言い続けていたはずである。
ブランド化は最低でも数年はかかる。
1年や2年の評価というのは「ダークホース」なのだから、過大評価されていて正当なものではない。
勝負は3年目からとなり、すべての産地が敵となった時からである。
だからその間は、周りの評価や反応に奢り高ぶらず、自分勝手に動いてしまったり、消費地を見ないで計画をしたりしてはいけないと。
しかし、北海道はそれを守らなかった。
そして、その結果が、既に消費者の話題にも乗らなくなってしまっただけでなく、評価も下がり続けているという、今の現状なのだ。

北海道の評価が下がり続けている中で、ホクレンも生産者も、今年ビューする北海道の新品種「ゆめぴりか」をどうする気なのだろう。
誰に対してピーアールするつもりなのか。販売方法はどうするのか。いくらで販売するのか。
自分が進めていたブランド化はステップアップの方法だったのだが、そのブランド化の道を踏み外してしまったからには、この手法を使うことは2度と出来ない。

他のブランド化を計画している産地は、今回の北海道米のブランド化の失敗を、ものすごく勉強している。
自分も、最悪の失敗例として、ブランド化を手伝ってる産地には説明している。
今回の北海道の失敗は、「敵に塩を贈ってしまった」のだから、これによって他の産地は、同じ間違いをすることは少なくなった事だろう。

ホクレンよ。北海道の生産者よ。
どう戦う? どう攻める?
どうやって、もう一度ブランド化の道を歩くつもりなのだろうか?
コメント
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