虫干し映画MEMO

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ヒズ・ガール・フライデー (1940/アメリカ)

2005年08月12日 | 映画感想は行
HIS GIRL FRIDAY
監督: ハワード・ホークス
出演: ケイリー・グラント  ウォルター
    ロザリンド・ラッセル  ヒルディ
    ラルフ・ベラミー   ブルース

 女性敏腕記者ヒルディは、記者稼業に嫌気が差し堅気の男性ブルースとの再婚を予定していた。彼女の記者としての才能にも女性としての彼女にも未練がある元夫ウォルターは翌日の結婚式までに何とか二人の仲を壊してしまおうと企む。そして、その時の事件に彼女が記事を書けば、ブルースと高額の保険契約をしようと持ちかける。

 ハワード・ホークス監督作品ですが、テンポのよさは極めつけ。そして題材からその扱い方から、かなりブラックなコメディ。出てくる人物ほとんどやる事がアコギなんですもの。ヒロインが一度は仕事に嫌気がさすのも無理ない。
 ウォルター役グラントは、かっこよくてワル。元妻の新しい夫がお人よしだと見るや、困った立場に追い込むことを全然ためらわない。記者連中はあることないこと書き立て、「人殺し以外なら、なんでもする」状態。政治家は権力維持と保身が判断基準で、真実は重要事項ではない。
 でも、残念なことに善人は間抜けに見えてしまう、そんな映画。ヒルディはきれいで、しかも裏社会にも通じていて抜け目がない。そして結局のところ、穏やかな家庭生活より、悪くて活気があるウォルターと仕事と生活を選んでしまう。
 ウォルターがヒルディに対して、レディファーストな態度をとってないところが、男としての無神経というより彼女を仕事のできるやつとして一人前に扱っているように見えるし、ジャーナリストとしてはインパクト最優先で世界でどんな非常事態が起こっても2の次3の次。制作年が大戦直前である。そういった部分は当時よりずっと皮肉に見えるんではないだろうか。
 ケイリー・グラントは動きの軽妙でしかも品のある人で、それがいつも楽しみだけれど、この映画はそれよりもほとんど隙間なくしゃべりまくる、それもマシンガントークとして有名な主人公二人のやり取り。私が持っているのが日本語字幕だけのDVDなので、これがちゃんと英語字幕つきで、それほど高くない値段ででたら買い直して、時間かけて見直しすることになるでしょう。

 実は、この映画「加山雄三がケイリー・グラントに似ている」という意見を聞いて、見る気になって出してきたのですが…そういわれてみれば似てないこともない様ではあるが…やっぱり私の頭の中で「似てる」ということを拒否しているみたいです。

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