虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習(2006/アメリカ)

2008年04月24日 | 映画感想は行
BORAT: CULTURAL LEARNINGS OF AMERICA FOR MAKE BENEFIT GLORIOUS NATION OF KAZAKHSTAN
監督: ラリー・チャールズ
出演: サシャ・バロン・コーエン    ボラット・サカディエフ
   ケン・ダヴィティアン    アザマート・バガトフ
   ルネル    ルネル

 イギリスの人気コメディアン、サシャ・バロン・コーエン扮するボラットというカザフスタン国営テレビのレポーターとが、カザフスタン国民へのレポートと称して、事情を知らない善良なアメリカ市民に突撃取材を敢行した様子がフィルムに収められていく。
 バロン・コーエン自身がユダヤ系であることを逆手に取った過激な人種差別ネタからバカバカしい下ネタまで、笑いのためには危険も顧みないコメディアン魂を発揮しつつ、取材される人々の偽善の裏に潜む本音を暴き出して巧妙な文明批評も展開していく。

 評判を聞いてDVDのレンタル申込みをしたものの、それだけに一生懸命前知識を避けて見た映画。

 これだけお下品な映画は久しぶりです。それに見ている間中ずっと反応に困っていました。冒頭で主人公がカザフスタン人でないことはわかるようになっていますが、手放しで笑えるような内容ではありません。

「この(主人公と相棒以外の)出演者はフェイクとわかってやっているのか?それともまったく知らずに出演させられていたドッキリネタなのか?」

 この疑問がず~っと頭に張り付いたまま。見終わって本物のドッキリとわかってほんとに感心してしまった。下品であってもこれだけのものを作って公開してしまうアメリカはまだまだ懐が深いんじゃないだろか。ついていけないところ、目をつぶりたくなったところはままあれど、自分の周囲の通念や思い込み、価値観だけに縛られて生きてる日常をあざとく開陳して見せつける精神にはともあれ敬服です。

 全米で予想を超える大ヒットを記録し、その過激な内容で数々の訴訟問題を引き起こし、果ては国際問題にも発展するなど一大センセーションを巻き起こした話題のコメディ・ドキュメンタリー。
 allcinemaの作品紹介にはこう書いてありましたが、確かに、訴訟沙汰が他人事ながら心配になりました。私はこういう映画を見るのはしょっちゅうでなく、たまに、で良いです。


最新の画像もっと見る