【初恋のきた道】
昔々、私がまだ小学校一年生の頃、近所にとても仲の良い男の子が住んでいました。
幼くして秀才の誉れ高く、名前をラサール君(仮名)と言いました。
nihaoも「清少納言か紫式部の生まれ変わりではないか?!」と父親が喜ぶほどの利発な少女だったのです。
それがとんでもない誤解であることが判明し、家族みんなを失望させるのは案外早かったのですが...
ラサール君とnihaoは、放課後になるといつもいっしょに手をつないで帰り、どちらかの家で遊びました。
入学するまではひとり遊びが多かったので、nihaoにとってはラサール君が初めてのお友達でした。
賢くて優しいラサール君と一緒にいるのはとても楽しく居心地の良い時間でした。
このままいつまでもふたりが、世間から祝福されて健やかな成長を遂げることが出来れば何も問題はなかったのですが......
ある日、二人の目の前に突然クラスの悪ガキ→【元祖弁当男子】たちが立ちふさがりました。
私たちは皆この世に生を受けてまだ等しく6年しか経っていないのに、あの子たちは、どのようにしたらあのような品性下劣さを身につけるのでしょう???
とにかくnihaoとラサール君が、手をつないで帰るのは生意気だとかいやらしいだとか、小1なのに早すぎるだとか、みんなに囲まれて、今まで耳にしたことがないような悪意のある言葉でさんざん冷やかされ囃し立てられたのです。
nihaoは驚いて、このような惨劇が急に我が身に降りかかったのは、みんなラサール君のせいだと思いました。
「も~う、ラサール君なんかだいっ嫌い!」
つないでいた手を強く振り払って泣きながら家に帰ったのでした。
この事件をきっかけに私の天真爛漫な幼年時代は終わりを告げました。
私は言葉によって汚され貶められたショックを、その後いつまでも引きずり、ラサール君とも気まずくなって、現在に至るまで一度も話をしたことがありません。
中学卒業後、急に姿を消した彼が、親元を離れて偏差値の高い超難関校に入学したことを知ったのは、かなり後になってからでした。
ところが最近、そのラサール君から突然メールが届きました。
高校の同期会で出会った【神田川君】が、今でも交流のあるラサール君に私のことを話し、アドレスやblog-cafeの存在を彼に伝えてくれたのです。
ありがたいです。同窓会ネットワークの力、あなどれません。
しかし何ということでしょう!
あの辛い体験を共に語り合いたかったのに、ラサール君は私と同じ記憶を共有してはいませんでした。
一緒に遊んだことは記憶しているものの、悪ガキたちから受けたあの悪夢のような出来事など、全く覚えていなかったのです。
私の衝撃は結構大きかったです。
(ラサール君、きみ、案外頭悪いんじゃない?)
しかもさらに追い打ちをかけるかのごとく、ブログから読み取った現在の私の姿を
「nihaoちゃんは随分なオタク系有閑マダムかつ今なお現役の親父ギャル(マダム)だなあ」
と一刀両断でばっさり。
これがまた悔しいけれど大当たり。
最近オヤジなマダムに拍車がかかっているのは気がついていました。
密かに気にしていたので端的に言い当てられてショックです。
(ラサール君、きみ、案外口も悪いんじゃない?)
たぶん ラサール君はその後、元祖弁当男子達とも
何気に過ごして 罵詈雑言を浴びせられたコトなど無かった様な日々を過ごしてはったんでしょうね。
>気まずくなって
そう思っているのはマダムだけですよ、きっと。
マンガの世界では ラサール君はいぢめっこを蹴散らし幼女nihaoの手をとり・・・となるんでしょうけど・・・
わだかまりもなくなって オヤジ同士(?)、旧交を温め直してくださいね♪
なのに記憶が違っているというのはよくあることなのでしょうね。
「記憶にない」くらいなら良いのかもしれませんよ。
どこで記憶の改ざんがあったのかと思うほど、全く違った記憶を披露された経験が、私にはありますから。
同窓会ネットワークによって旧交を温める事が出来たとは、何とも羨ましいです。
ラサール君とも、ただ無邪気に遊んでいただけです。
ただ悪ガキたちに冷やかされてからは、世の中には男子と女子がいて
上手くつき合わないと辱められるということを学び、一気におませになりました。
おませになってからの方が、むしろ何にも出来なくなってしまいました。
余計なことを教えてくる悪ガキって、必ずどこにもいるのよね。
およよさんの仰る通り、ラサール君はその後も元祖弁当男子達と普通に仲良く遊んでいたそうです。
これは完全に私の独り相撲だったみたい。
私はこの出来事をしっかりと組み込んで、時々取り出しては懐かしんでいたから覚えていたのね、きっと。
>「記憶にない」くらいなら良いのかもしれませんよ。
確かにその通りかも。
自分の都合の良いように改ざんされると怖いですね。
よく「言った!言わない!」で大喧嘩している人がいるけれど
どちらも絶対に引かないのは、どちらかが改ざんしている訳でしょ?
自分でも改ざんしていることがわからなくなってしまうとなると...
記憶力がよいことはあまり自慢にならないわね(^_^)
ありますね。ちいちゃなプライベートから仕事上まで…
おばちゃん会話の中で「そう思うでしょ?」と訊かれて
「そうですねぇ・・・」と応えるとそれは「言った」コトになるそうな。←特に悪口系
夫婦間や親子間でもよくあります。
いったん口に出すと引き下がるのはなかなか難しい。
解決策はひとつ!
これからは仕事も喧嘩も、メールでやりとりするのがいいかも。
証拠が残るから争いにはなりません(^_^)
すごく迷って(面倒だしそんなに興味もなかった)、参加を決めるまでだいぶ時間がかかりましたが、結果楽しかったので行ってよかったです。
昔の思い出話だけでどうしてあんなに盛り上がることが出来るのかね。不思議。
そしてやはり記憶のすれ違いや勘違い、たくさんありました。
でもそれすらも笑いのたねで、幼なじみって特別の存在だね。
この記事の中のラサール君や神田川君はもちろん良い人でしょうが、弁当男子君も愛すべき悪ガキじゃないのかな。
なかなか、コメントできませんが記事は拝読しております。
ラサール君とのほのかな思い出。良いですねえ
6歳じゃ、初恋ってわけでもないのでしょうが、甘酸っぱい思い出ですね。
それにしても悪ガキどもにからかわれて、泣いちゃったnihaoさんを見て
ラサール君の反応がよく分かりませんが「え、キ、キライって・・・お、俺が悪かったの?」
てな、感じだったのかなあ。想像ですが「あの時、俺は大好きなnihaoちゃんの前で
悪ガキどもを撃退できなかった俺は、男として、なんて情けないやつだったんだ」
なんて思ってたとしたら、忸怩たる思いで、しっかりと
記憶に残っていたのではないかと思いますが、もしかしたら
「悪ガキどもの言い分に理あり。確かに、小1では早すぎるし、いやらしいな」
な~んて納得してたとしたら、nihaoさんと同じ、悔しい思い出を共有出来て
いなかったので、忘れちゃってたのかもなあ・・・
♪( ´▽`)
同感です。私も何度か同期会に参加しましたが、いつも話題が同じです。
懐古、懐古、懐古だけ。同期会に集う人たちには、過去の思い出しか存在しません。
それが居心地がよい理由のひとつなのでしょうね。
ところで記憶と思い出はどこが違うのでしょうか?
記憶違いという言葉はありますが思い出違いという言葉はないから両者はまったく違うものですね。
思い出は共有できるけれど記憶は出来ない???
元祖弁当男子君、今頃どうしているかなと心配になることはありますが
愛すべき悪ガキと思ったことはありません(^_^)
愉快なコメントありがとうございます。
>コンスタントに更新
そうですね。少し復調気分です。頑張ります!
2・3日前に読んだ本に「記憶とは言葉のことである」と書いてありました。
「私たちは味や香りや音などをきっかけに古い記憶を呼び起こすことがありますが、それはすなわちあいまいなまま眠っていたものを言語化するということです」(by
三浦しをん・舟を編む)
小説なので詳しいことは書いてありません。以下nihaoの想像。
記憶は映像で整理するものではなく言葉でするものなので、言葉が未熟な子供の頃は、経験した事をうまく言葉で整理して記憶できないようなのです。
で、清少納言の生まれ変わり(?)だったnihaoは、恐怖と驚愕のなかで、あの日自分の身に起きたことを言語化することが出来ました。
さらにその後何度も思い出しては記憶を定着させていたと思われます。
では賢いラサール君は...あはっ、一体どうしちゃったのでしょうね?
衝撃を受けるほどのことでもなかったのかしら?