レイモンド・チャンドラー作、村上春樹訳『ロング・グッドバイ』
530ページの長編だが、家事をさぼってまる二日間夢中で読んだ。
途中でハッと犯人像が浮かんだ。
そうだ.....別訳(清水俊二)ですでに読んでいた!
松田優作のTVドラマ『探偵物語』の下地は、作品中の私立探偵フィリップ・マーロウである。
「僕は金持ちなんだぜ。その上幸福になる必要がどこにある」
「さよならを言うのは、少しだけ死ぬことだ」
「ギムレットを飲むには少し早すぎるね」
随所に、しびれる決めぜりふが散らばる。
友情、孤独、男の誇り、夢の喪失、幻想と幻滅、軽口のお喋りと軽妙な比喩。
村上春樹の文体が、作品の小道具や背景を巧みに演出している。
ハードボイルドの主人公は、どのような事態に陥っても自らの人生観を絶対に曲げない。
その大人になりきれない単純さと不器用さが可愛い。
この作品を読んだなら.......
男はみんなフィリップ・マーロウのようなタフな探偵に憧れる。
そして女(私)も、芳醇な酒の香り、煙草の紫煙、スローテンポなジャズが流れる珠玉のハードボイルド・ミステリーに酔いしれる。
フィリップ・マーロウに宿酔。しばし呆然。
我に返って、夕食はお肉や野菜をじっくり煮込んだハードボイルド・ロシアンスープ『ボルシチ』を作った。
ボルシチを作るためになくてはならない材料がビーツ(赤カブ)
そろそろフレッシュのビーツが出回る時期だが、生産量も需要も少ないので滅多に手に入ることはない。
近くにコストコのような海外スーパーもないので、ネットでロシア産の缶詰を注文する。
ビーツ缶さえあれば簡単。
カレーやシチューの材料と相違ないがサワークリームは必須。
世界三大スープとして名高いボルシチをお試しあれ。
今回のスープはあっさり味に仕上げましたが、材料の具合によっては、燃えるような真っ赤な色にも仕上がるんですよ。
村野ミロさん、確かにハードボイルドですね。
仁木悦子さんの小説に出てくる探偵さんもそんな感じがしませんか?
どろどろしていなくていいですね。
いや、どろどろも大好きですが......。
酒場の片隅で一人グラスを傾けるというイメージしかありませんでした
私立探偵で私が思い浮かべたのは桐野夏生さんの作品に出てくる村野ミロ。
彼女もハードボイルドだと思いますね。
婆婆が亡くなってしばらくして、HUZUさん(現在沈黙中ですが彼女は元気ですからご安心を!)からビーツを戴き、レシピを探して初めてボルシチを作りました。
予想外の美味しさで、婆婆にも食べさせてあげたかったと心から思いました。
その後何度もボルシチをつくりましたが、その度に婆婆のことを思い出します。
婆婆亡き後は、私の料理に文句をつける人間はいなくなったので炊事に力が入りません。
一年経ったなあとあらためて感慨深いものがあります。
都会の酒場には、田舎ではみかけないようななりきりマーロウは絶対いると思います!
その光景は......確かにギャグです。
そんな罪もない単純な男たちを肴に、クールなpancoさんは可笑しさを堪えて飲んでいるのね、きっと。
それにしてもチャンドラーのハードボイルドには、古きよき時代の郷愁を感じます。
私もここ数日、サントリーのCMソングが耳にこびりついて困っていました。
なりきりマーロウの恋人の私、pancoさんの書き込みですっかり夢から醒めました。
思い出しました
決して美味しいとは言ってくれなかった婆婆に
食べさせたかったボルシチでしたよね
きっとビーツを見る度に毎年思いだすのでしょう
『赤く色づいたスープの中央に淡雪のような
サワークリームを落とすと、濃厚な酸味が
まろやかになって幸せいっぱいの気分に
なりました。婆婆にも食べさせてあげた
かったと........何につけても婆婆を思
い出してしまう昨今です。』
去年の今頃nihaoさんが思いを込めた特別の
料理を食べさせたかったという記事に涙して
しまった事を思い出しました
ギムレットを注文する男は、大抵チャンドラーに傾倒していますな・・・
しかも、チャンドラーを語りだすというおまけ付です。
あぁ、なんて単純なハードボイルド野郎・・・
今のnihaoさんもそのお仲間でしょうね。
女性では未だにお目にかかったことがありませんので、貴重な存在だと思いますわぁ。
一人で腰痛に耐え、LAのアパートで律儀に毎日ビーツの薄切りを食す男......ああ、ハードボイルドですね(意味不明?)
当地では漬け物の色づけに使う程度で、産直でもあまり売っていません。
身体によい野菜ならば、もっと普及させてもいいですね。
スーパーでどこでも売ってましたので、とにかく薄く引いて塩振って、朝晩食べる。
葉っぱも雑煮に入れて食べる。おかげで雑煮は餅も汁もほんのり赤い(葉っぱは赤くないのにスープは赤かった気がする)。
懐かしいです。
赤いスープの上のサワークリームが食欲をそそりますよ。
我が家の、やわな男と女が食べてもタフにはなりませんが.....。
本を読んでいると家事がおろそかになりますね。
掃除はさぼることができるけれど炊事は無理。
粗食に徹していますが、時々スローフードを頑張って作ります。
ゲーム「神宮司三郎」は未経験ですが、名前からしてタフな感じでそれっぽいですね。
ハードボイルドはヴァイオレンス・アクションとは違うので、読みやすいです。
ボルシチは酸味があってあっさりしていますが美味しいですよ。
ロシアの田舎の味がします(行ったことないけど)
とろみをつけたいなら、ご飯をいれて煮込むといいです。
乳製品を使わないからこまめさんのご主人にはいいかも.....。
ボルシチはハードボイルドなんですか^^?
nihaoさんは読んでた小説から夕げのメニューが出るなんてさすがですね。
本の中身に入り込みすっかり主人公気分満喫でしょうか^^
本はねぇ、読み出すと止らないのよね
他のことは全部後にして読みきってからでないと晩御飯も作ってない!は良くある事です
外国版ハードボイルド・ミステリーはまだ体験したことがなく、ハードボイルドとは・・・こんな感じなんですかと、しばし呆然。島田荘司の感じなのかしらね。そしてゲームでは『神宮寺三郎』ですか。
はじめてと言えばこの『ボルシチ』。
名前は知っていても作ったことが無く、トマトベースと思いきやビーツの赤さだったのですね。写真を見たときはこれは赤ワインかと思いました。案外あっさりした感じなんですね。