英国BBCなどは、武装したロシア兵が住民投票の実施されている東部のルハンスク州とドネツク州、南部のヘルソン州、ザポリージャ州で住民の家を訪れ、投票を勧めていると24日に伝えた。

2022-09-28 08:48:24 | 問題がないは、大問題

「併合問う投票に参加せよ」…

銃を持ったロシア兵、ウクライナで「恐怖の家庭訪問」

登録:2022-09-27 02:37 修正:2022-09-27 08:29
 
 
25日(現地時間)、ロシアが占領しているウクライナのドネツク州の都市マリウポリで、ロシアが占領地域の併合に向けて実施している住民投票にある男性が参加している/EPA・聯合ニュース

 ロシアがウクライナにおける4つの占領地域をロシアに編入するために、併合の賛否を問う「住民投票」を26日も強行している中、武装したロシア兵が住民宅を訪ねて賛否を問うなど、公正さが疑われる事態が起きている。

 英国BBCなどは、武装したロシア兵が住民投票の実施されている東部のルハンスク州とドネツク州、南部のヘルソン州、ザポリージャ州で住民の家を訪れ、投票を勧めていると24日に伝えた。ザポリージャ州の都市エネホダルに住むある女性は「兵士たちに言葉で(編入の)賛否を答えなければならない。兵士が答えを紙に書いて持っていく」と述べたとBBCは伝えた。住民投票は23日から始まっており、27日まで行われる予定だ。

 ザポリージャ州第2の都市メリトーポリに住むある女性はBBCに「2人の現地『協力者』が2人のロシア兵と一緒に両親の住むアパートにやって来た」、「うちの父は(住民投票で)反対の立場を表明し、近くに立っていた母が『反対すればどうなるか』と聞いたところ、兵士軍人たちは『何も(起きない)』と言った。母は(家族が編入に反対したことを理由に)ロシア軍に何かされるのではと心配している」と述べた。この女性は、投票は1人1票ではなく「世帯当たり1票」で行われたと語った。BBCは「このような証言が事実かどうかは確認されていないが、武装した兵士によって投票が実施されていることは、自由で公正な手続きだというロシアの主張と矛盾する」と指摘した。

 投票開始日の23日、タス通信などのロシアメディアは、武装兵が各家庭を訪問しての投票について「安全」のためだと説明した。同メディアは、直接投票は27日にのみ行われる予定であり、別の日には村落共同体で、そして家庭訪問によって行われるだろうと報道している。

 住民投票の結果は27日夜ごろに発表されると見られるが、西側諸国と外国メディアは事実上「答えは決まっている」と考えている雰囲気だ。英国外務省は、すでにロシアは目標値を設定していると主張している。

 またルハンスク、ドネツクの両州は親ロシア系の分離主義者が自称「独立国」を建設しており、南部のザポリージャ、ヘルソンの両州もロシア軍が占領しているため、ウクライナ市民のかなりの数が避難しており、残った人々の中には親ロ系の住民が多い。実際の投票結果でもロシア編入に賛成する意見が多いと予想される理由はここにある。

 ロシアメディア「RIAノーボスチ」は、ドネツク、ルハンスク両州の選挙当局が25日にこの日までの3日間の同地域の投票率がそれぞれ76%、77%を記録したと発表したことを伝えた。選挙当局は、国際規定に則り登録有権者の50%以上が投票に参加すれば、住民投票は成立したと考えていると主張している。選挙当局の主張どおりなら、投票3日目のザポリージャ州の投票率は51%、ヘルソン州は48%。

 タスは、4州の住民が「ウクライナによる攻撃」のせいで都市から脱出しているとし、彼らが投票できるようにするためにロシアにも投票所を設置したと報じた。投票は基本的にドネツク、ルハンスク、ザポリージャ、ヘルソンの各州で実施されるが、その他にもロシアが支配しているクリミア半島や、モスクワなどのロシア領でも行われているとみられる。

 2014年に親ロシア勢力が自称「独立国」を建てたルハンスクとドネツクでは、住民に「共和国はロシアへ編入されるべきか」を問うており、ザポリージャとヘルソンでは「ウクライナからの分離独立、独立国建設、そしてロシアへの編入」の賛否を問うている。

 ロシアは2014年3月に、クリミア半島を強制併合するための手続きとして住民投票を実施した。ロシアは当時、153万人の有権者の83%が投票に参加し、うち96.7%がロシアへの編入に賛成したと発表している。

 その後、併合は迅速に行われた。3月17日、クリミア自治共和国議会は独立を宣言する決議をあげ、ロシアのプーチン大統領は18日、直ちにクリミア併合条約を締結するなど、迅速に後続措置を取った。今回も同様の手続きを踏むとみられる。27日夜ごろにウクライナ4州で住民投票の結果が出れば、ロシア政府は28日から29日にかけて併合法案を上下両院に提出すると予想される。法案が可決されれば、30日ごろにプーチン大統領が公式に併合を宣言する見通し。投票結果が圧倒的賛成多数であっても「国際的」に認められることはないだろうが、ロシアは投票結果をこれらの地域がロシア領であることを主張するための口実にするとみられる。

ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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