「この世界には米国だけが存在しているわけではない。特に、新型コロナへの対応をめぐる協力、経済貿易協力、地域安定の守護、朝鮮半島問題の平和的解決を含め、中韓協力を強化しなければならない。

2020-11-28 04:29:49 | 中国を知らなければ世界はわからない

[ニュース分析]

中国外相が韓国記者の“マスク”に注目した理由とは

登録:2020-11-27 06:38 修正:2020-11-27 09:21
 
習近平主席の年内訪韓の可能性に関する質問に 
「重要なのは訪問の条件を整えること」 
カン外交部長官との会談で韓中関係「守望相助」と表現 
同じ困難に立ち向かって助け合う戦略的パートナーという意味 
 
中国の王毅外相が今月25日、東京でマスクをつけたまま記者団の質問に答えている=東京/共同・聯合ニュース

 日本には近い隣人という意味の「一衣帯水」という言葉を使った王毅中国外交部長が、韓国には困難に直面した時に互いに助け合って守る友人という意味の「守望相助」という四字熟語を使った。韓国と日本に対する中国の“戦略的観点”をかなり明確に表すものとして、注目を集めている。

 王毅部長は26日午前、ソウル都染洞(トリョムドン)の外交部庁舎で、カン・ギョンファ外交部長官と1年ぶりの韓中外相会談を行った。本格的な会談に先立ち、王毅部長は「コロナ禍以来、中国と韓国の国民は『守望相助』の精神に従って互いに助け合ってきた。韓国各界が新型コロナウイルスによって中国が困難な状況の際、中国国民に送ってくれた支持と支援にこの場を借りて感謝申し上げる。韓中両国は戦略的協力パートナーとして国際及び地域の協力を調整し、地域の平和と安定を守ると共に、統合的なグローバル体制を補完するためにそれぞれの貢献をしている」と述べた。

 王毅部長の短い発言で目を引くのは、同じ敵や困難に立ち向かい、互いに見張りをしながら助け合うという「守望相助」を使い、韓中が互いに助け合う「戦略的協力パートナー」という点をもう一度強調した点だ。これに先立ち、中国の習近平国家主席は2月20日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領との電話会談でも「辛いとき、互いに協調して対応し(守望相助)、両国が近い隣人として一丸となって協力して共に苦境を乗り越えて(同舟共済)いる」と述べた。

 
カン・ギョンファ外交長官と中国の王毅外交部長が今月26日、ソウル外交部庁舎の会談会場に入ろうとしている/ 聯合ニュース

 これに対し、王毅部長は24日、日本の茂木敏充外相との会談では、「中日は隣国として一衣帯水の関係にあり、長期的に協力しなければならないパートナーでもある。必要な度に戦略的コミュニケーションを取っていかなければならない」と述べるにとどまった。韓国は共同の敵や困難に立ち向かい、互いに協力しなければならない「戦略的パートナー」だが、日本は必要に応じてコミュニケーションを取らなければならない隣国というレベルで、韓日の“戦略的位置”を区別したのだ。中国が念頭に置いた対応の相手は、一次的に全世界を襲っている新型コロナ危機かもしれないが、場合によっては中国に対して包囲戦略を駆使する米国になり得る。逆に米国ではインド太平洋地域の第1同盟である日本に対しては「礎石」(cornerstone)、第2同盟である韓国に対しては「核心軸」(linchpin)という用語を使う。

 王毅部長は会談直後、現在、両国間の関心事である中国の習近平国家主席の韓国訪問の可能性などについても語った。王毅部長は「年内に習主席が来る可能性はどれくらいか」という記者団の質問に対し、「現在、外交協議が行われている。現在重要なことは訪問条件を整えていくこと」だと答えた。さらにマスクをつけて取材を行っている記者団を見回しながら、「今、みんなマスクをしているのではないか。こうしたことが影響を及ぼす」とし、「我々も早期に実現することを望んでいる。相互交流を強化しなければならない。私たちは隣国だ」と述べた。

 王毅部長はまた、韓国と日本を歴訪する今回の日程は米中競争と関係があるかという質問に対し、「この世界には米国だけが存在しているわけではない。特に、新型コロナへの対応をめぐる協力、経済貿易協力、地域安定の守護、朝鮮半島問題の平和的解決を含め、中韓協力を強化しなければならない。そして、私たちは多国間主義を共に堅持しなければならず、自由貿易を守護し、早く中韓自由貿易協定(FTA)の第2段階交渉を進めなければならない。私たちにはやるべきことがたくさんある」という発言で即答を避けた。

キル・ユンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

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