中野さんの母親は生前、夫の資産を使い込み、果樹園を売るなどして統一協会に1億円を超える献金をさせられました。判決は、高裁が違法性に関する審理を尽くさなかったと指摘。

2024-07-12 11:49:28 | 旧統一協会は解散せよ!

2024年7月12日(金)

“返金求めぬ”念書は無効

統一協会勝訴の二審破棄

最高裁初判断

 統一協会(世界平和統一家庭連合)の信者だった女性(2021年に死去)の高額献金被害で、長女の中野容子さん(仮名)が協会側に6580万円の損害賠償を求めた訴訟の上告審判決が11日、最高裁第1小法廷でありました。同協会の献金問題で最高裁が判断を示すのは初めて。堺徹裁判長は、統一協会の不法行為による献金だとした中野さん側の主張を大筋で認め、協会側が勝訴した二審判決を破棄して審理を東京高裁に差し戻しました。


写真

(写真)会見で判決に対する思いを語る原告の中野容子さん(仮名)=11日、東京都内

 中野さんの母親は生前、夫の資産を使い込み、果樹園を売るなどして統一協会に1億円を超える献金をさせられました。判決は、高裁が違法性に関する審理を尽くさなかったと指摘。協会側に返金請求をしないこと、損害賠償を求める訴訟を起こさないことを記した「念書」について「公序良俗に反し無効」としました。

 念書は15年11月に作成され、協会の婦人部長が母親に“返金請求をしない意思”を確認するビデオ撮影もしていました。

 二審の判断を「是認できない」とした理由について判決は、信者の主導で念書が作成されたのは母親が86歳のときで、約半年後にはアルツハイマー型の認知症と診断されたことに触れました。

 また、母親が「1億円を超える多額の献金」や6年間で13回も韓国に渡って先祖解怨(かいおん)の儀式等に参加するなど、統一協会の「心理的な影響のもとにあった」とし、献金を求められた際に「冷静に判断することが困難な状態にあったというべきだ」と判断。念書の作成も「合理的に判断することが困難な状態にあることを利用し、一方的に大きな不利益を与えるものだった」としました。

 自身の土地を売って献金を行うのは「異例」で、金額も「将来にわたる生活の維持に無視しがたい影響を及ぼす程度のものだった」と断定。本人と配偶者の資産や生活状況を含め、多角的な観点での慎重な検討を求めました。

 中野さんは判決後の記者会見で、念書は無効だと認めた点を評価して「やっとまっとうな判決が出た」と語りました。

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10日未明の豪雨で全国各地で人命被害と財産被害が相次いだ中、豪雨で浸水した大田(テジョン)のある村で母親を救った息子の話が伝えられた。

2024-07-12 11:41:45 | 韓国を知ろう
 

母は首を突き出し「死ぬよ、来ないで」…

息子は泳いで「波」越えた=韓国

登録:2024-07-12 00:09 修正:2024-07-12 10:58
 
 
10日未明、強い雨が降り、村の入口の道路が水に浸かった大田西区龍村洞のチョンベンイ村で、消防隊員が住民をゴムボートに乗せて運んでいる/聯合ニュース

 10日未明の豪雨で全国各地で人命被害と財産被害が相次いだ中、豪雨で浸水した大田(テジョン)のある村で母親を救った息子の話が伝えられた。

 11日、CBSラジオの番組「キム・ヒョンジョンのニュースショー」に出演したキム・ジュンフンさんは、前日の豪雨の中で母親を救った時の様子を語った。キムさんの母親は大田西区龍村洞(テジョン・ソグ・ヨンチョンドン)のチョンベンイ村に住んでいるが、前日の豪雨で堤防が決壊し、村全体が浸水した。

 キムさんは「(10日未明に)大田には雨が一晩中眠れないほど騒々しく降った。外に出てみたら、(道が)人が通れないほど川みたいになっていた」とし、「義姉から(豪雨で)他の人たちは避難したが、母とは連絡が取れないという電話があり、(母親の住む村に)行った」と語った。大田市内に住むキムさんが母の住んでいる村に到着すると、「堤防が決壊して水が村にも流れ込んでいた。淡水なのに太平洋みたいに波が打ち寄せていた」と語った。

 
 
10日未明の強い雨で村の入口の道路が水に浸かった大田西区龍村洞のチョンベンイ村で、消防隊員が村内の畜舎にいた子牛を救出している/聯合ニュース

 続けてキムさんは、「人の姿は見えないのに『助けてくれ』という声が聞こえた。泳いで(村の中に)入ったが、波が強すぎて隣の家に入ってしまった」と当時の状況を説明した。キムさんは、「隣のおばさんが頭だけ出して首まで全部(水に)浸かっていたので、屋根の上に上げてから母のところに行った。母は軒先の柱をつかんで首だけ出して耐えていた」と述べて涙を流した。

 キムさんが近づいて助けようとすると、母親は息子が危険だと思い、止めたという。キムさんは「私が行くと母は『お前、死ぬよ。来ないで』と言った」と語った。キムさんは塀伝いに母親に近づいたが「力が抜けて上げられなかった。ソファーが一つ流されてきたので母をソファーの上に乗せ、ソファーから屋根の上に上げた。(先に救助した)隣のおばさんもだんだんとずり落ちてきていたので、『もう少し頑張って』と言っていたら、消防のボートが来た」と語った。

 
 
10日午前、大田西区のチョンベンイ村が、夜半の豪雨により浸水している/聯合ニュース

 キムさんは、「10分ほどいたら、母が首だけ出して踏ん張っていたところも完全に水につかってしまった。10分遅れていたら亡くなっていただろう」と述べ、緊迫した当時の状況を思い浮かべていた。

 気象庁の資料によると、大田チョンリムは9日午後5時から10日午前5時までの合計降水量が129ミリを記録。夜間の豪雨でチョンベンイ村の住民たちは大田西区の杞城(キソン)総合福祉館に避難した。逃げ遅れた住民は消防のボートで救助された。

キム・ユンジュ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 
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