国際社会が最も憂慮するシナリオは、戦争拡大だ。レバノンに拠点を置く武装組織ヒズボラの副議長であるナイム・カシム氏は13日、「われわれは準備ができており、行動する時がくれば行動する」

2023-10-17 08:54:04 | アメリカの対応
 

イスラエルの「最先端戦力」、

ハマスの「地下トンネル」…ガザ地上戦どうなる

登録:2023-10-16 10:46 修正:2023-10-16 11:26

 

ガザ地区地上戦の展望 
「短期決戦で掃討」を狙うイスラエル 
ハマス、480キロの地下トンネルに伏兵
 
 
イスラエル国防軍(IDF)がイスラム武装組織ハマスの実効支配するガザ地区に対する大規模作戦を予告している中、14日(現地時間)、イスラエル軍の戦車が列をなして移動している/AFP・聯合ニュース

 イスラム武装組織ハマスの壊滅を目標とするイスラエル国防軍(IDF)のガザ地区への地上軍投入が「秒読み」に入り、戦争の火種がどこまで飛ぶかに対する懸念が高まっている。

 イスラエルにとっての「最上のシナリオ」は、圧倒的な軍事力によって短期間でハマスを壊滅させることだ。イスラエルは正規軍16万9500人を保有しており、今回の作戦のために予備役36万人を動員した。また、戦車約2200台と最先端戦闘機「F35」50台など、先端兵器で武装している。ワシントン・ポストはイスラエルの兵力の動員状況について、「1973年の第4次中東戦争(ヨム・キプール戦争)以来の50年で最大の規模」だと報じた。

 これに比べ、ハマスは戦闘員2万~2万5千人、ロケット砲3万発程度の軍事力だという。読売新聞は15日付の記事で「イスラエルにとって理想的なのは1カ月程度の短期決戦」だとし、「(それ以上の作戦は)社会や経済への負担が大きすぎる」と、イスラエル現地記者の言葉を引用して報道した。

 しかし、戦争が長引き泥沼の戦いに流れる可能性もある。最も可能性が高いシナリオだ。同紙は「イスラエル軍は(ガザ地区の)市街地や地下トンネル、モスク(イスラム教礼拝所)のあるガザを模した街を建設し、地上侵攻に備えてきた。だが、実際の作戦が演習通りに進む保証はない」と述べた。延べ面積365平方キロメートルの広さに人口約220万人が密集しているガザ地区で市街戦が起きれば、一般市民と入り混じっているハマスの戦闘員を完全に選り出すのは事実上不可能になる。

 主な外国メディアは、ガザ地区の地下に計480キロメートル、最大深さ40メートルの、クモの巣のように張り巡らされたハマスの「地下トンネルネットワーク」について触れ、今回の軍事作戦は容易ではないとの見通しを示した。実際、2014年7~8月に起きたイスラエルとハマスの第3次紛争の時も、イスラエル軍は地下トンネルを積極的に活用したハマスの戦略に大きな被害を受けた。英BBCは「ハマスの武装隊は(今回も)爆発装置を設置し、待ち伏せを計画しているだろう」と分析した。

 この過程で双方の死亡者が急激に増えれば、イスラエルとしては大きな負担となる。2014年にも50日間の戦争のうち地上軍による侵攻は20日にわたって行われたが、ガザ地区では2130人が死亡した。

 ハマスという組織を「完全消滅」させるという目標自体が不可能だという指摘もある。イスラエル陸軍軍事アナリストのアミル・バール・シャローム氏は14日付のBBCの報道で「イスラエルがハマスの組織員全員を解体できるとは思わない。ハマスはイスラム過激派の『理念』だからだ」と述べた。

 国際社会が最も憂慮するシナリオは、戦争拡大だ。レバノンに拠点を置く武装組織ヒズボラの副議長であるナイム・カシム氏は13日、「われわれは準備ができており、行動する時がくれば行動する」と明らかにした。イスラエルが地上軍を投入して「壊滅作戦」を本格化する場合は介入するという意思を公にしたのだ。ヒズボラは現在、4万5千人の戦闘員と、15万発にのぼるロケット弾や対戦車誘導弾などの殺傷兵器を保有しているという。イランも「イスラエルがガザ地区で地上戦を展開すれば対応するのは避けられない」と表明するなど、危機感を高めている。さらに、ガザ地区のパレスチナ人同胞の惨状を見かねたヨルダン西岸地区で大規模な武装蜂起が起きる可能性も排除できない。最悪の場合、イスラエルは北(ヒズボラ)、東(西岸地区)、南(ハマス)の3方向の敵と同時に向き合い、ペルシャ湾を渡ってイランと対峙しなければならない状況に追い込まれることもありうる。

ホン・ソクチェ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

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