バイデン大統領は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が「戦術核兵器や生物化学兵器を使用できると言及する時、それは冗談ではない。なぜならロシア軍の成果が非常に良くないからだ」

2022-10-10 09:33:09 | アメリカの対応

バイデン大統領

「核戦争の脅威、キューバ危機以来最高潮…アルマゲドンの可能性」

登録:2022-10-08 09:49 修正:2022-10-08 10:40
 
 
ジョー・バイデン米大統領が6日(現地時間)、ニューヨーク州ポキプシーで演説している/AP・聯合ニュース

 ジョー・バイデン米大統領が、1962年のキューバミサイル危機以来、核戦争の危険が最高潮に達したと警告した。

 バイデン大統領は6日(現地時間)、ニューヨークで開かれた民主党上院選挙委員会のレセプションで、「(1962年の)キューバ危機以来初めて我々は核兵器使用の脅威にさらされている」と述べたと、ロイター通信など海外メディアが伝えた。「ケネディ大統領のキューバ危機以来、アルマゲドン(聖書に描写された人類最後の戦争)が起きる可能性に直面したことはなかった」とも付け加えた。キューバ危機は、東西冷戦の真っ最中だった1962年、ソ連がキューバに中距離ミサイル基地を建設したことに対し、米国がソ連との全面戦争も辞さないという意志を示し、核戦争の危機が最高潮に達した状況をいう。当時、ケネディ米大統領とソ連のフルシチョフ共産党書記長が、キューバとトルコにそれぞれ配置されたロシアと米国のミサイル基地を相互撤収し、危機は一段落した。

 バイデン大統領は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が「戦術核兵器や生物化学兵器を使用できると言及する時、それは冗談ではない。なぜならロシア軍の成果が非常に良くないからだ」と述べた。

 プーチン大統領は2月24日にウクライナ侵攻開始を発表した際、「こんにち、ロシアは最も強力な核武装国家の一つ」だとし、戦争初期から核兵器使用の可能性をほのめかした。先月21日にも「わが領土の完全性が脅かされるなら、ロシアと国民を保護するために明確にすべての手段を動員する」と述べた。プーチン大統領が先月30日、ロシアのウクライナ占領地である東部ドネツク州、ルハンスク州、南部ヘルソン州、ザポリージャ州の4地域の併合宣言をした後は、核兵器使用の憂慮がさらに高まっている。ロシアがこれら占領地に対する攻撃を自国領土に対する攻撃であると見なせば「低威力核兵器」を使用する可能性もある、との懸念が高い。ウクライナ軍は最近、ヘルソン州など一部領土を奪還して反撃に出ており、ロシア軍は国内的に批判を受けている。ロシアは「国家の存立が脅かされる時」使用可能だとしていた規範を、2020年には「軍事行動の拡大を予防、あるいは終了させるための」目的で使用できるということに変え、核兵器使用の敷居を下げた状況だ。

 ロシアが低威力核兵器である戦術核を使用するとしても、いったん核兵器を使用した瞬間、状況は手の施しようもなく悪化するだろうとバイデン大統領は批判した。バイデン大統領は「戦術核兵器を簡単に使いながら、アルマゲドンに帰結させない能力のようなものがあるとは思わない」と述べた。

 バイデン大統領の発言は、ロシアが今年2月末にウクライナに侵攻した当時から繰り返し核の脅威を加えてきたことを指摘しつつ「現在としては核兵器の使用が差し迫っているとみなす兆候はない」と先週述べたジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安保担当)の発言とは対照的だと、米国の「ブルームバーグ」は指摘した。

チョ・ギウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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