6日の感染者数24万3628人…3日連続で20万人台
「9日には23万人」予想も、拡散が1週間早まる
「感染者激増→重症患者増」の時差は3~4週間
「3月末、4月初めに重症患者は最大で2700人を予想」
5日、ソウル西大門区の新村駅前に設けられた臨時選別検査所で、市民が検査の順番を待っている/聯合ニュース
韓国で新型コロナウイルスの急激な拡散が死者と重症患者の数を押し上げている。直近の1週間のコロナによる死者は、前週に比べて88%、重症患者は38%増加。専門家は、防疫当局の予想より感染者の増加が速まっていることから、ピーク時の重症患者数も予想より増えると見込んでいる。
中央防疫対策本部の発表によると、6日午前0時現在で、コロナ新規感染者数は24万3628人(国内24万3540人、海外からの流入88人)。4日以降、感染者数は3日連続で20万人台となっている。特に最近は死者の増加が目立っている。2月末までは1日に100人前後だった死者数は、5日に216人と初めて200人を超えて以降、3日連続で150人を超えている。その結果、この1週間(2.28~3.6)の死者数は1013人で、前週(2.21~2.27)の539人に比べて87.9%も増加した。重症患者数も徐々に増加している。直近の7日間の1日平均の入院中の重症患者数は792.6人で、前週の573.4人と比べて200人以上増えている。
専門家は、感染者の激増が重症患者と死者の増加につながるには時間がかかることから、重症患者と死者が大きく増えるのは3~4週間後になるとの見通しを示す。嘉泉大学吉病院のオム・ジュンシク教授(感染内科)は「政府の予想より流行が1週間ほど早まっている。短い時間でより多くの感染者が出る状況になったため、ピークの感染規模はより大きくなると見ている。ピークに達するまでの期間は短くなるかもしれないが、(ピークの)規模はより拡大するだろう。重症者も政府の予想より多く発生すると予想する」と述べた。続いてオム教授は「重症患者数のピークは3月末、4月初めになると予想する。2500~2700人ほど発生すると予測される」と付け加えた。2月末に防疫当局が示した予想では、感染確認数は3月9日ごろに23万人、3月中旬ごろにピークを迎え35万人となっていた。しかし政府の予想より1週間早い3日に26万人の感染者が確認されるなど、拡散が速まっていることから、ピーク時には感染がより大規模になるだろうとの説明だ。高麗大学医学部のチェ・ジェウク教授(予防医学)も「通常、重症者と死者の増加は感染者数の増加の3~4週間後に現れる。近く感染者数がピークに達すれば、今月末か来月初めに重症患者数と死者数のピークが訪れるだろう」と説明した。
専門家は、3~4週間後に重症患者数と死者数がピークに達すれば、昨年末のデルタ株流行の際と似たような「病床不足による大混乱」に陥るだろうと懸念する。現在の全国の重症患者用病床の稼働率は56.4%だが、すでに現場では病床運用に困難がみられる。政府が危機として認識する同稼働率70~80%では、現場はすでに「大混乱」に陥っているとする主張も出ている。チェ教授は「重症患者病床の稼働率が70%だとしても、30%の余力があるわけではない。実質的には重症者向けの治療が必要だと認められるケースははるかに多いため、残りの病床も使わなければならず、今もすでに埋まっている。病床稼働率が70%に達したら、すでに昨年の大混乱のように状況は深刻化しているのだ」と述べた。ソウル大学病院のキム・ナムジュン教授(感染内科)も「昨年の11月から12月にかけての経験からすると、80%に達すると順調には行かない。新しい患者を受け入れるためには、まず既存の患者を退出させなければならないが、その過程で出口がなかなか見つからなかった」と語った。オム教授は「人材確保ができなかったり、機器がないために患者を受け入れられない重症患者病床がある。最も高い水準の集中治療が可能な病床は(政府の言う)2700床ではない」とし「病床危機は、早ければ今週中に生じうる」と指摘した。
パク・チュニョン、イ・ユジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )