呑み録

飲んだお酒の記録 お酒は二十歳を過ぎてから

木戸泉 復興祈念ブレンド古酒

2019-12-29 | お酒
2019年最後の一本は変り種。
木戸泉 復興祈念ブレンド古酒です。





木戸泉は千葉県の木戸泉酒造株式会社さんのお酒です。
http://www.kidoizumi.jp/

今年の台風15号で蔵が損壊してしまったそうです。
そこからの復興祈念としてのお酒だそうです。
上記のWebサイトによると2~20年モノの古酒をブレンドしてあるとか。
日本酒の古酒自体珍しいのでどういう味なのか気になります。
酒造さんの復興を祈りつつ頂きますよ。


開封
まぁ古酒なので当然なのですがかなり確りと醸した感のある
独特の濃い香りがします。
それでもそれほど主張は強くない感じです。

色は黄色がどうこうというレベルではなく、赤見を帯びた感じにも
見える濃い色です。リンゴジュースを彷彿とさせる色ですね。

では頂きます。
口に含んだ瞬間に開封時に感じた香りが一気に鼻に抜けます。
老香といえば老香なのでしょうが飲み始めると気にならなくなるのが
不思議。
どことなく燻製を作る際の燻した煙のような香りです。

次に飛び込んでくるのが強めの酸味。
ぶわっと広がりますが後味を殆ど残しません。
甘味はそこそこ、苦味はカラメル程度のものがあるような無いような。
飲み始めこそインパクトが強いですが、後口はとても穏やかに締めるので
どんと来い古酒!と構えていたのがちょっと恥ずかしくなります。

初日のおつまみは冷凍たこやき。
ふむ、食べ物と飲むと案外悪くない。
強い酸味は相変わらずですがこの酸っぱさを許容出来るのであれば
全然食中酒でいけます。


さて二日目
直前までコーヒーを飲んでいたせいか甘さも少し感じられるようになりました。
少し苦味も出てきたようです。
慣れたせいか初日よりも飲みやすく感じます。

大分前ですが60年物のワインを飲んだことがあります。
その時の味が干し葡萄のようだったんですね。
今回のお酒もどことなく干し葡萄感があるように思えたり。
時間を経ると味が似てくるんですかね。


日本酒でありながら古酒であること。
見た目が派手でネタになりそうだったこと。
復興祈念のお酒であったこと。
などがあって選んでみました。

飲み始めは
クセのある香りが強いっ!
酸味がかなり強いっ!
と不安になったのですがこういうお酒と認識してからは
全然普通に飲める美味しいお酒でした。
敢えて一言いうと日本酒らしくは無いので何か知らない国の
お酒を飲んでいる感があります。


さて、2019年も無事に完走いたしました。
累計で250種以上は飲んだ気がするのですがまだまだ知らない日本酒が多いです。
2020年も美味しく飲みたいものです。
2019年は大変お世話になりました。
新年早々飲み過ぎないように気をつけてよいお年をお迎えください。

年明け一発目は大吟醸…なはず。



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無風 純米吟醸 熟成原酒

2019-12-22 | お酒
3年前に一度飲んでいた無風(むかで)です。





推定辛口だろうと取っておきました。
前に飲んだ無風は純米酒でしたが、今回は純米吟醸酒で
熟成原酒とあります。
精米歩合が60%になった分どう変わっているか気になります。

無風は岐阜県の玉泉堂酒造株式会社さんのお酒です。
http://minogiku.co.jp/

開封
香りは本当に極わずかです。
その香りも前々回の仙介に似たしっかり醸した感の方向性です。
色はこれまた極々僅かに黄色がかっている程度。ほぼ透明です。

では頂きます。
まず飛び込んでくるのが酸味で甘さ控え目の辛口風のお酒です。
香りと同じく傾向は仙介に似てますが今回の無風の方が酸味が
強く比較的後まで残ります。
それでも刺刺しさは無いので飲みやすく強すぎない辛口です。

前の無風 純米生原酒では香りの事を書いていますが、今回の一本は
大分香りは控え目。無い訳ではないのですが洗練された感があります。
じっくり味わうと目立ちませんが米の風味がしますね。

初日のおつまみはか○あげクン ゆずぽん酢味
ゆずぽん酢が美味しいです。
お酒も辛口だけに邪魔せずほんのりとつまみを持ち上げてくれる感も
あるので悪くないですね。


さて二日目。
酸味が強いのは二日目も変わらず。
少し苦味に近い辛さが出てきたかな?
味が深くなったとも捉えられる風味です。

二日目のおつまみは肉じゃが。
辛口のお酒は食べ物に合いますね。
初日からそうだったのか今となっては分かりませんが、食べ物と一緒に
飲むと少し強めの香りが鼻に抜けるようです。
日本酒は鼻にツンとくるので苦手という人にはちょっと勧めにくいかも
しれません。
それでも僅かなので日本酒を飲みなれた人には問題ないレベルです。


変に奇を衒う訳でもなく、かといって無個性でもなく、オールマイティーに
活躍できるお酒だと思います。
流石に甘く香るお酒を所望している人に出すのは無謀ですが、お客様に
出すお酒で迷った という時に出せる無難というか普通に喜んで貰える
お酒だと思います。

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総乃寒菊

2019-12-15 | お酒
前回の仙介がなかなか良い辛口で食事にも合いました。
今回は甘めのお酒だろうとこれを選択。





千葉県の合資会社 寒菊銘醸さんの総乃寒菊です。
http://kankiku.com/
前の電照菊が美味しかったので期待します。

開封
少し鋭さを感じさせつつ吟醸香が漂います。
ですが香り自体はそれほど強くはないですね。
色は結構な黄色です。

では頂きます。
ふむ、甘さはそこそこで強めの酸味があります。
さらに特徴的なちょっと後を引く苦味があるので
飲み始めは甘いですが飲み干すと辛口に感じますね。

前の寒菊はほんのりの苦味とありますが、今回は結構
強めです。といっても辛口を謳う日本酒ほどでは無いです。
ただラベルに淡麗とありますので辛口のお酒なんですかね。

初日のおつまみはから揚げ。またから揚げです。
塩っけのあるから揚げと一緒に飲みますと甘さが際立つのは
毎度の事ですが今回は苦味も増しますね。


さて二日目
甘味が大分減ったように感じ、逆に酸味がかなり増えました。
後口の苦味は然程変わりませんが酸味に押されてあまり
気にならなくなりました。
とはいえ無くなった訳ではないので後味には残りますけどね。

二日目のおつまみはカニカマ。
控え目になった甘味が出て良い感じなのですが、苦味が
『俺もいるぜ』とひょこひょこ主張してきます。
もう少し大人しくしてくれていればなー。


今回は良くも悪くも苦味が目立つお酒でした。
苦すぎてキツイという訳ではないですが結構な存在感を示します。
苦味が心地よいかと言われると…個人的にはちょっと出すぎです。

苦さが無ければな~と思い返すと前に飲んだ寒菊は純米大吟醸
だったんですね。なるほど磨き上げる事で丸くなるんですかね。

甘いお酒をと選んだのですが思いの外辛口風でした。
三連敗。
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仙介 山廃純米

2019-12-08 | お酒
今回の一本は仙介





仙介 山廃純米です。
仙介は兵庫県の泉酒造株式会社さんのお酒です。
http://www.izumisyuzou.co.jp/sensuke/

『せんかい』かと思ったら『せんすけ』なんですね。

開封
香りはほんの僅かです。
フルーティーな吟醸香ではなく、しっかりと醸した感の
ある香りがします。
色はほんのり黄色っぽさがある程度。

では頂きます。
一番強いのは酸味で瞬間的に鼻に抜けます。
鼻に抜ける酸味はツンツンした感じは無く抜けたあとの潔さは
大変良し。しつこさもありません。
甘さはほぼ感じられず、苦味もあるかどうかという程度。
後味にほんのりとした麹の香りを残す辛口のお酒ですね。

前回の御前酒は辛口かと思いきや柔らかい甘口。
今回は甘口かと思いきやサラリとした辛口でした。
うーむ、ラベル読みの精度が甘いですね。

読みははずれましたが味は当たりです。
山廃!と構えましたが尖った部分の少ないオールマイティーな
感じのお酒です。


初日のおつまみは定番の鳥のから揚げ。
ほうほう、お酒単体では控え目の味でしたが、から揚げを投入
すると主張が強くなり酸味が増したようです。
つまみを踏み台にのし上がるお酒ですね。とても良いです。

次いでキムチ鍋。
寒い冬は鍋ですね。そんな訳でキムチ鍋を投入。
むむむ。キムチ自体味が濃く強いおかずですがお酒が負けていません。
しっかりと主張してきます。
食事にピッタリなお酒です。


さて二日目
初日と然程変わらず。
ほんの少し酸味が和らぎ、後口に苦味を感じるようになった気がします。
それでもスッキリとキレの良い飲みやすい辛口は継続です。

二日目のつまみは季節はずれの冷奴。
暖かい室内でこたつに入っていたとしても出来れば湯豆腐の方が良いものです。
ふむ、昨日のから揚げとキムチ鍋には強く主張してきたお酒ですが、
冷奴の香る程度のかつおぶしには控え目です。

次いで焼き鳥をタレで。
濃いタレにはしっかりとした酸味と味を締める苦味が出てきます。
流石だ。

強い相手には強く、弱い相手には合わせるように弱くと立ち位置を計ってくる
お酒ですね。


ああ、このお酒何かに似てると思ったら日本盛のお酒が似た傾向です。
同じ兵庫のお酒だからですかね?
灘は硬水で辛口のお酒が多いという話を聞いた事がありますが、なるほど
こういう風味のお酒になるんですかね。

今回のお酒の味は万能感のあるバランスの良さで単体で良し、
食事と合わせても良しという当たりでした。
ちょっと豪勢な和食、洋食共に引き立ててくれそうなので年末用に良い
一本かもしれません。
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御前酒 純米生原酒 菩提酛 にごり酒

2019-12-01 | お酒
今回は御前酒 純米生原酒 菩提酛 にごり酒





久しぶり且つ飲みたかった岡山のお酒です。
岡山のお酒で探すと大典白菊しか見つけられないんですね。
大典白菊は良いお酒ですが出来れば他のお酒も飲んでみたいところ。

菩提酛 にごり酒は岡山県の株式会社 辻本店さんのお酒です。
https://www.gozenshu.co.jp/

開封
ものすごーーく遠くに香りがあるのですが正体を掴む程
強くないので存在はするよね という程度。
色はこれまたほんのりな黄色 なのは上澄みだけで基本
濁り酒なのでおりがらみです。


では頂きます。
ほうほう、開封時に嗅いだ時には感じなかった香りが
口に含むと飛び込んできました。
優しく甘酸っぱいです。
ラベルから山廃風のガツンとくる濃いお酒かと思っていたので
和菓子を彷彿とさせるようなふんわりとした甘さのお酒に
ギャップを感じます。

後口にほんの少し苦さが残りますがそれでも印象は丸いです。
これでアルコールが17度もあるのかと思わせるレベル。
(後ほどしっかり酔いがきました)

初日のおつまみはフランクフルト。
日本酒のおつまみには合わない気がしますが気にしない。
ふむ、反発する感はないですね。フランクフルトの肉肉しさに
お酒が一歩退きます。それでも柔らかな甘味は消えませんので
思っているよりも悪くない。

次いで漬け丼。久しぶりの生魚です。
辛口のお酒では無いですが甘さの主張が弱いので殆ど食事を
邪魔しません。甘いけど食中酒にも使えるというのは中々貴重です。


さて二日目
ほんの少し酸味と後を引く苦味が強くなったようにも感じます。
が、生原酒にしては変化が少ないほうですね。
優しい甘酸っぱさは継続です。

二日目のおつまみはピリ辛味のチャーシューとメンマ。
まるでラーメン屋のおつまみのようです。
うーん、辛いものとはあまり合いませんね。
干渉する事無く併走してる感じ。


とてもレアな岡山のお酒でしたが、クセが少なく大変飲みやすい
一本でした。良いお酒なのでもう少し市場に出回っても良い気が
するんですけどね。

正直に言いましょう、ぶっちゃけ期待していませんでした(笑)
なので期待以上のお酒で大満足。
日本酒との出会いは一期一会。嬉しくもあり、悲しくもあります。
また同酒造のお酒が飲めると良いんですけどね。
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