えぬ日和

日々雑記。第二、第四土曜更新を守っているつもり。コラムを書き散らしています。

待年望春

2015年12月31日 | 雑記
晴れにしようか曇りにしようか、灰色の雲で空を縞模様にしながら悩むような天気を
窓からぼうっと眺めていたら出かけるにも中途半端、家に居るにも腰の据わらない
妙な気分になってしまって、結局エアコンのフィルターの掃除を手伝った後は
部屋で腰かけてたんたんと掘り出した『鎌倉ものがたり』の文庫を読みふけっていた。

時々掃除機の音がする他はなにもない。

昔、冬休みがまだあった頃は掃除するものや場所が沢山あって、それに狩り立てられるように
この一日を過ごしていたけれども、場所が個人の年月の緩やかな堆積に固められて出来てくると
だんだんに場所は家とつかず離れずいるにかかわらず、その部屋に籠った誰かの年月に
押し出されるような気配が醸し出される。
そのせいか、この部屋には雑文をパソコンで打ち込む私のほかには誰もいず、誰も来ない。
掃除が一段落したのか、家の中はおさまりが付かないものが散らばりながら
嵐の前のような凪が漂っている。

遊ぶ声もなく外は静かだ。

外の梅木は今年もまた、日の温かさに惑わされて花を開いている。

静けさに閉じ込められたまま、今年の終わりと来年の始まりを今は迎えていたい。

―――
二〇一五年。
ブログを始めてから振り返るとどれくらい日にちが経ったのでしょうか。
分からないままに書き進めてまいりました拙文を読んでいただいている皆様、
そうでない皆様、本年もありがとうございました。
そしてよいお年を越し、新たな年を楽しく迎えられますように。

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