沖縄を考える

ブログを使用しての種々の論考

詩349 沖縄と日本 9

2011年10月26日 09時45分48秒 | 政治論
 我々の立っているこの国土は、私有地も含め全て国の所有物である。それで我々は、私有地に関し固定資産税という借地料を国に支払っていると考えられるが、この原理からして、国家が専権的に有する(と言われるが法文化されてない)安全保障に関する決定権?により、必要となる土地を接収するという行為は必ずしも不当ではない。従って国家が、辺野古に米軍のための新基地を作ろうが作るまいが専権的に強制的に実行することは不可能ではないのだが、にも拘らず、公有水面である大浦湾を埋め立てる工事については当該県知事仲井真君の許認可を必要とするわけで、言わば地方自治権がハンコひとつで国家の上位に立ちうる立場に置かれるという、非常に民主的な法内容になっている。この事実に立脚すると、政府官僚が仲井真君を口説き落とせば(許認可印を押させれば)、事実上、日米合意案に沿って粛々とことが運べると考えるのは当然である。(但し、国民主権が基本である憲法理念からすれば、当該民意にあって同意が担保されなければ、同じく憲法理念の範疇にある戦争手段の放棄という国是に反する日米軍事同盟の遂行は、明らかに否定されるべき性質にある)
 完全な県内移設反対者だった伊波君を破って、同じく反対の公約をした仲井真君が知事に当選したとき、彼がかつて容認派だった経緯からこれなら落とせると踏んだであろう官僚たちが、ここにきてゴーサインを出したのは、米国防長官来日と日米首脳会談見込みを強迫的キッカケとしたにすぎない。
 空手形になることは間違いないが、彼らのしていることは「アメリカの機嫌を損ねないためには沖縄県民の反発は度外視する」という意味になる(対米施策が日本国憲法の上位にあるということ)。仲井真君の再任以来の発言態度から1年近く手が出せなかった官僚共が、ここにきて俄に色めき立つ様子は手に取るようにわかるが、そこには主権国家の威厳など微塵も見られない。
 これは黒船以来のこの国の「無責任ケセラセラ権力」実態が未だに殻をつけたひよこ並みによちよち歩きを繰り返していることを物語っている。まさか天皇にお伺いを立てるわけにもいかずこの度はアメリカ天皇様におすがりしてなんとかこの場を乗り切ろうというわけだ。ふざけたやつらだ。(中断)


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