犀川の河川整備を考える会

犀川の辰巳ダム建設を契機に河川整備を考え、公共土木事業のあり方について問題提起をするブログ。

辰巳ダム>辰巳ダムも検査院に指摘された

2014年10月26日 | 辰巳ダム
 22日の北国新聞にダムに堆積する土砂についての記事が掲載されていた。会計検査院の調べで、全国のダムで土砂が堆積して機能が低下しているというものである。石川県では、辰巳ダムも洪水調節容量内に土砂が堆積していることが指摘された。

 会計検査院の指摘は、ダムの機能(洪水調節)の低下であるが、辰巳ダムでは、今のところ、堆積の量も少なく、機能が低下しているとまではいえない。機能低下というよりも、ダム建設以後、土砂やヘドロ、ゴミ、流木の堆積で河川環境が損なわれている点である。

 辰巳ダムは全国2番目の穴あきダムであり、常時は水が貯めることなく、通常の状態で川の流れを維持できるので、水流や土砂の連続性があり、魚が行き来できるなど自然の生態に優しいが謳い文句である。河川環境は良好に保たれるはずだった。

 ところが、河川環境を維持するために、通常のダムよりも土砂やヘドロ、ゴミ、流木の始末はやっかいになっている。通常の貯水型のダムは、出水があろうがなかろうが常に河道の障害物であるが、穴あきダムは出水の時に障害物であり、通常は障害物ではない。両方のケースに対応した設備と維持管理が必要となる。

 通常の貯水型のダムは常に河道の障害物であり、ゴミや流木は水面に浮いて流れに寄せられて集まる、土砂はダム湖に堆積し、水は流れ出る。設備も維持管理も基本的には変わらない。一方、穴あきダムは出水時に障害物であり、これを管理するためにダム堤体にはスクリーン、ダム湖の入口には流木止めなどの設備があり、湛水が終わると、土砂、ゴミや流木は各所に点在し、それまで湛水していた河道の斜面に白くヘドロが堆積していたり、ゴミや流木が引っかかっていたりする。水流がもとにもどると自然に綺麗な川に戻るわけではなく、ダムの管理や景観上、放置できないので大きな出水の度に除去作業をせざるを得ないことになる。

 降雨で川が増水する度に流れが穴あきダムのコンクリートの壁で阻害されて円滑に流れず、この障害物のために河道に土砂などが貯まることによる河川環境劣化が大きな問題である。
2014.10.26,naka

 北国新聞記事

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