犀川の河川整備を考える会

犀川の辰巳ダム建設を契機に河川整備を考え、公共土木事業のあり方について問題提起をするブログ。

辰巳ダム>各かんがい用水の水利権量の見直し

2014年10月20日 | 辰巳ダム
 犀川流域のかんがい面積が1800ヘクタールから600ヘクタールまで3分の1まで減少しているという現実があった。
辰巳ダム計画では、工業用水とかんがい用水が見直されて、犀川からの取水量が削減された。見直しの結果、従来のかんがい用水量は、約6トン毎秒が約4トン毎秒に縮小した。

 この条件で利水全体が見直しされ、辰巳ダムによる利水ダム容量の追加し、2既存ダムの利水ダム容量に加えて、10年に1回程度の渇水に対しても河川維持用水の流量1.19トン毎秒を常時、流すことができるようになり、動植物の生息環境を保全できるとした。

 ハード対策である辰巳ダムを築造して、残るはソフト対策である水利の適正運用である。

 水利の適正運用のためには、各用水組合が水利権にもとづいて犀川から取水している水利権量の変更をしてもらわないといけないのである。主な用水は、犀川七か用水(寺津用水、辰巳用水、長坂用水、鞍月用水、大野庄用水、泉用水、中村高畠用水)である。ところが、変更したという話はとんと聞かないのである。

 かんがい用水の水利権の更新は10年に1回である。平成16年に河川整備基本方針を策定して各用水の水利権量がオーソライズされたはずである。平成26年現在、ほとんど変更した水利権量で水利権の更新が行われているはずであるが。

 17日に公文書公開のついでに、河川課で尋ねてみた。なんと、担当者は「相手があることもあるし、、、」などと口を濁すばかりであった。歴史的な経緯から、かんがい水利権量の変更は簡単な問題ではないようであるが、これを解決しなければ、10年に1度の渇水に対処するための河川維持用水は確保できない。

 利水については、辰巳ダムで開発した水量に比べて、ソフト対策による捻出する流量が圧倒的に大きいのでこれが解決しなければ、基本方針でかかげた河川維持用水の確保はまったくできない。この件に関して河川課は放置しているようであり、ダム建設は熱心さに比較して、ソフト対策に対する態度は不誠実、不真面目そのものである。
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