読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

デイヴィッド・L・リンジーの『黒幕は闇に沈む』(上)

2022年10月26日 | 読書

◇『黒幕は闇に沈む』(上)(原題:AN ABSENCE OF LIGHT)

      著者:デイヴィッド・L・リンジー(David L.Lindsey)
                      訳者:山本 光伸    1998.3 新潮社 刊 (新潮文庫)

         
  
  アメリカの警察小説。
  著者はテキサス州ヒューストン警察の事務職に就いて執筆活動を行っており、
 警官の連帯意識、権力争い、上司の権威主義など警察組織の描写にリアル感が
 ある。多分日本の警察組織にはないと思うが、ヒューストン市警の刑事部に犯
 罪情報課という組織があって、犯罪を未然に防ぐために日頃からいろんな組織、
 個人からあらゆる情報を集め、犯罪の動向を分析し殺人課や強盗課などに引き
 継ぐ。
  本作の主人公マーカス・グレーバー警部は犯罪情報課の中枢として課内を仕
 切っているが、妻のドーレーとの間に双子の息子をもうけたものの、二人が成
 人し結婚したあたりから妻との間に亀裂が生じ、妻は男と駆け落ちしてしまっ
 た。今は男やもめの寂しさを託っている。
  突然捜査官の一人アーサー・ティスラーが死んだ。自殺か事故死、他殺か。
 今手掛けている案件と係わりがあるのかどうか。パートナーとして動いていた
 ディーン・バーテルは関連を否定する。
  しかしグレーバーはバーテルの表情に不審な感じを受け配下のポーラとケイ
 シーにティスラーとバーテルを徹底歴に調べるよう指示する。

  ところが今度は犯罪情報課組織犯罪班の班長ビーザムが釣りの最中に心臓発
 作で死んだ。他殺も疑われる。ビーザムも絡んでいたのか。グレーバーも上司
 のウェストレイトも事態の深刻さに動揺する。
  元政府機関諜報部員のアーネットが創設した調査会社に依頼し見張りを付け
 ていたバーテルが監視の 目をくぐり年配の男と会っていた。

  実はバーテルはパノス・カラティスという謎の男から多額の報酬を餌に、な
 にやら大掛かりな犯罪計画の片棒を担わされていた。しかしカラティスはグレ
 ーバーの捜査手腕に密かに恐れていた。

                         (以上この項終わり)


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