雑誌「前衛」の昨年12月号と今年1月号で、「マルクスの恐慌論を追跡する」と題して不破哲三さんが書かれています。
私が「資本論」での恐慌論には、大きな穴があることを知ったのは、私の先輩議員である、元日本共産党茂原市議の加藤古志郎氏から聞いたことがきっかけです。
もう、20年くらい前だったと思います。
その、時から「恐慌」の問題意識をもつようになりました。加藤古志郎氏は、どんな時も住民の立場で現在も活動されているとともに、大変な理論家で、問題にぶつかった時に的確な方向を示してくれる方です。
その後、資本論第一巻の読了と併せて、「資本論前三部を読む」不破哲三著を読みました。その中で、信用制度の発達ということを知りました。
○マルクスの死後、「資本論」の編集に当たったエンゲルスの編集上の弱点があったこと。○マルクス自身の発見にいたるまでの、紆余曲折があり、様々な草稿の中で到達点が見過ごされていたこと。を上げています。
○恐慌がなぜ起こるかについては、資本主義経済法則事態が、利潤第一主義に成らざるを得ないこと。そのため、労働者の消費能力を制限しながら、生産は消費の制限を乗り越えてまさに、「生産のための生産」に突き進むという矛盾あること。
○運動論として、「商品の貨幣への転化が・・・最終購買者の消費への販売から独立して行われるからである」いわゆる、信用販売と世界市場をあげています。
不破哲三さんは、問題解明を行ってから、数年から十数年後に、当時の問題意識を明かすことがあります。
今回も、不破さんの以前の著作「レーニンと資本論」は、レーニンの弱点を含めた全面的な再検討を目的に進められたと思っていましたが、「恐慌論解決のヒント」を求めてだったと述べています。しかし、結果は、レーニンの「国家と革命」「未来社会論」の根本的見直しにつながるなど大きな理論的成果を上げています。
さらに、リーマンショックの根本原因を当時日本共産党は「過剰生産恐慌と金融危機の結合」とずばり指摘しましたが、こうした、理論的な解明が基本にあったと解りました。