JCP市原時夫です

千葉県房総の睦沢町から、政治・経済・歴史・オペラ・うたごえを考えるgabuku@m12.alpha-net.ne.jp

時代が生んだ 加藤周一

2013年05月27日 | Weblog

私の加藤周一像が一面的だったと知った本です。著者は、加藤周一氏が残した膨大なメモ・ノート類などを整理されているようで、その中から加藤周一とはなにかを、この本で書いています。
 私は、日本文学史序説・評論家・九条の会そして、私が一番好きな「高原好日」の加藤周一です。
 しかし、歌舞伎の作家・詩人・辛辣な諷刺作家などなど、実に多面的な側面を浮き彫りにしています。
 「羊の歌」での、女性との出会いと別れ、養女のことなど、私生活面も書かれています。
 なぜ、加藤周一は加藤周一になったか、私は時代が生み出した知性だったと思います。
 それは、祖父から受けたヨーロッパ文化、父の科学的・理性的な考え方、戦死した親友への思い、空襲で苦しむ人々の中での医療活動、その内容を最後まで明かさなかった、米軍による原爆・被曝調査活動など、私は、日本共産党の活動は、氏の平和への思い、苦しむ人々への思いとつながっていると、改めて思うのです。