JCP市原時夫です

千葉県房総の睦沢町から、政治・経済・歴史・オペラ・うたごえを考えるgabuku@m12.alpha-net.ne.jp

日本の現在と未来の方向、たたかいを示す 

2013年04月30日 | Weblog


 日本における、奴隷制から封建制の移行はどのように行われたか?明治維新とは何か、それは現在の日本社会にどのような影響をもたらしているかという問題意識で読んだのが、野呂栄太の「日本資本主義発達史」(野呂栄太郎全集上 新日本出版1965初版1600円)です。 この本は、それ以前に、宮本顕治公判記録を読んで、当時の日本共産党の情勢分析と民主主義革命路線を持っていたことに驚いたことにあります。
 「日本資本主義発達史」は、この疑問に答える内容になっていますが、現在の到達点から歴史的限界や弱点はどうだったのかという問題意識をもっていました。
 不破哲三さんの「歴史から学ぶ 日本共産党史を中心に」(新日本出版1600円 2013年初版)は、こうした点にも応える内容になっており、全集を読む上での大切な手引きにもなっています。
 この本では、現在の日本社会の歴史的・世界的視野での位置づけと、発展の不可避性とたたかいの方向を明確にしています。第2に、日本共産党のたたかいと路線、科学的社会主義理論の自主的研究の源流を明らかにしたということです。第3に「侵略戦争とは領土拡張と外国支配をめざす戦争」として明確に位置づけ、あいまいさを許さず、基本点を明確にし、日本の民主主義発展と世界での日本の名誉ある位置を占める方向性を明らかにしていることです。
 特に不破哲三さんは、侵略の歴的事実を政府・軍部の記録そのもので解明しています。
不破哲三さんは、国会質問の中でも政府資料を分析して、事実と責任を明らかにし何度も改善を勝ち取る実績を行っています。 
 資本論のマルクスも当時の不十分な国の資料を駆使して分析していますし、野呂栄太郎の分析も当時収集できる膨大な資料を使っています。
本文の中で不破哲三さんは、「不破 私は、ここに、二つの本を持ってきました。一つは、日本の外務省が一九五五年に編纂した外交文書集『日本外交年表並主要文書 一八四〇~一九四五』(以下、『主要文書』)です。上下二巻一一八〇ページに、幕末から敗戦までの日本の政府の公式文書五〇八通が収められています。
 もう一つは、朝日新聞社が一九六三年に発行した『太平洋戦争への道 開戦外交史』の『別巻 資料編』(以下、『資料編』)です。本論は日本国際政治学会の方々の分担執筆で、「満州事変前夜」(第一巻)から「日米開戦」(第七巻)まで、時期ごとに戦争外交の経緯を追っているのですが、その全体にかかわる資料を最後の『別巻』にまとめてあるのです。三段組みで六一七ページ、『主要文書』との重複をできるだけ避けながら、政府と軍部の関係文書がぎっしり詰めこまれています。
 この二つの資料には、この戦争の全経過が、公文書によって記録されています。つまりそこには、日本の政府と軍部が、領土と支配圏の拡張をどのように追求してきたかが、日本側の当事者たちの声で示されているわけです。日本の戦争を語るなら、いいかげんな思い込みによってではなく、こういう客観的な記録にてらして歴史の事実そのものを見ることが、絶対に必要なんですよ。」
 歴史的事実というなら、ここで勝負はついてると思います。