JCP市原時夫です

千葉県房総の睦沢町から、政治・経済・歴史・オペラ・うたごえを考えるgabuku@m12.alpha-net.ne.jp

ぜひ読んで欲しい 若い人にも 生き方を考える意味も「「日本近現代史を読む」

2013年04月29日 | Weblog

若い人にも読んでほしい、生き方を考える絶好の書「日本近現代史を読む」
 2010年に買ってそのままでしたが、今回読みました。
 この本を貫く基本的立場が、私の問題意識にかなり応えてくれています。
「刊行にあたって」で宮地正人さんは。未来への方向は過去への正確な認識なしには決して定まりません。と歴史の意義を変革者・実践的立場を明確にしています。①時代の区分の変化の過程。②と③は抜けている本が多いのですが、この本はすばらしいと思います。②シンポと前進のたたかいを権力支配階級との対抗の中でとらえていく・・・単純ではないが③世界史との内的関連の中でとらえていく。④日本の植民地主義と侵略の意味と未来へのあり方です。
 コラム欄は大変参考になるとともに、筆者によって特徴ある問題意識の展開もあります。 そして、世界と日本は大局的には進歩発展していることと、「それらは男女人民と多くの民衆のたたかいと努力、そして失敗と挫折の積み重ねの中で、ようやく実現されてきたものです。」と、歴史の発展に生きることへの励ましが語られています。
 
 幕末から始まっているのが特徴です。私の問題意識から見ると
 (1)なぜ幕府は倒れたか
    ①生産の増大と商品経済の発展・農民層の分化、都市での商品需要の増大と物価の上昇、幕府や藩の財政悪化のよる一揆と打ちこわしとしての行動。②本居宣長・平田篤胤のの思想的影響。③市場獲得にむけての欧米列強のアジア進出。を上げています。
 (2)明治維新はブルジョア革命だったか
   ここでは「近世の幕藩体制を解体し、近代の天皇制度国家を成立させていった政治変革・社会変革の過程を明治維新と呼んでいます。」ときちんと定義しています。
 (3)絶対主義的天皇制成立の背景
「権威・権力をもつ者を『生き神』として崇拝する意識が天皇と重ねあわされてといえます。そこには現世利益的な要素も強く、天皇を神聖視する意識とはなお距離がありました。しかし、こうした意識が天皇の権威をうけいれる基盤になっていったと考えられます」と記述しています。この意識に、天皇の6度のわたった全国巡回が働きかけたと言うことでしょうか。その後、松本清張の「象徴(天皇)の設計」の中でリアルに書かれていますが、軍人勅諭・教育勅語など上からの強烈な「生き神」論が押しつけられます。
(4)明治憲法の成立
 自由民権運動、国会開設論の中で、民主的憲法論が続出するなかで、秘密裏に作られたのが、明治憲法であり、成立過程からみても民意を排除してつくられたと書いています。
(5)日清・日露戦争
 「これまで、彼方のことだった中国・朝鮮の問題が身近なものになっていきました。同時に中国・朝鮮、とくに中国にたいする蔑みの感情が広がり社会に根をはっていくようになりました」としています。私は、中国・北朝鮮・韓国などへの正当な批判と蔑みの感情をもった攻撃とは区別すべきだと思います。一般新聞の記事を見るとこうした、感情を意識した記事が多いように感じています。
 (6)台湾感情のちがい
テレビで、中国での半日感情の強まりで仕事がなくなったコメディアンが反日感情の弱い台湾で仕事を探すという番組がありました。なぜか
 この本では「日本が植民地支配を始めた時点で台湾と朝鮮ではナショナリズム(民族としての意識の段階が大きく異なっていた。」日本の支配への抵抗は「台湾人という国民意識でたたかったわけではありませんでした」と記述しています。
 (7)元老と天皇の権力
 法的規定のない元老が天皇の最高顧問として一九四〇年まで続いたこと。「決して軍部は、天皇が知らないうちに大本営から命令を出していたわけではない」
 張作霖爆破事件と昭和天皇の項目では「田中の二度目の上奏にたいして、昭和天皇は激怒し、田中を叱責したため、七月二日に田中内閣は天皇の信頼を失ったとして総辞職しました」とその実質的行使を明らかにしています。
(8)南京虐殺の犠牲者を確定できない理由
 「これは主として虐殺後、日本軍が遺体を組織的に揚子江に流してしまったことに起因しています」
(9)日中戦争と第二次大戦
  事前の領土拡張の他国支配の意図が明確にあったことや、侵略戦争の中での兵士の扱い、国内、植民地住民の苦難も画かれています。
 
(10)戦後から〇七年まで画く
 
 近現代の歴史書としてぜひ、若い方にもおすすめしたい推薦の一冊です。いい本です。

「沖縄を返せ」の合唱と共に、沖縄で政府式典に抗議1万人

2013年04月29日 | Weblog

 今日の「赤旗」で、沖縄での「4.28政府式典に抗議する『屈辱の日』大会」の記事が出ています。
 沖縄県民が1952年に結ばれたサンフランシスコ平和条約で日本から切り離された日を、政府が祝うということ自体、阿倍首相の主権感覚がいかにずれているかということです。
 この集会で歌われた「沖縄を返せ」若い頃にうたごえの先輩に教えられた歌です。
ユーチューブで見つけた「沖縄を返せ