今ムシマルは食券自販機の前に立っている・・・・・・ものすごい威圧感だ、気圧されている。
あのオーラに似ている。バーン様に。
しかしムシマルは挑むよ。
大魔王の前に、まず魔王からだ。
数あるメニューの中から黙して目的のものを選び取る。
こいつだ!880円でライス付き魔王。
行ったのがまだ暑い時期だったからか、冷やしつけ麺がある。ごくり。いや。魔王に挑むのだ。アバンの使徒として。
ムシマルは傘でブラッディスクライドしたことあるからアバンの使徒だよね?
あとTシャツとかタオルも売ってあってすっげえブランド力!
汗かくから?替えや汗をぬぐうものを売る、雪山の樽ワイン売りみたいな足元見た存在なのかと思ったが!
・・・・・・・このTシャツ等のグッズを付けたり着ていくと割引がずっと得られる、そうな。
買って、待つ。
鼻頭が痛い。
最終発表は、魔王+特盛、ニンニク普通辛さ2でいく。
発注後の調味料チェック!・・・・ラー油にニンニクにコショウに、刺激系が多いことに気づく。
あとは、息を整える。
正しい呼吸なら、ヒリヒリしない。
来た!
巨大。赤い、中央黄色。
(南米の太陽みたいだ・・・)
今からムシマルは太陽に挑む。
紅い。
これからムシマルは紅に染まる?この俺を?
遮るやつはもういなくなってしまった、イート開始。
こんな南国の果てにも
ちゃんと「チャレンジャー」はいるから
安心しろいっ!!!
汗っかき・・だけどなあっ!!!
すごくニセ勇者っぽく食べ始める。
麺がプルンとしている、適度に弾き、適度に受ける麺。ツルツルいけるのはうれしい。
香辛料が、擦りこむようにまぶされている。
麺を摂取する振りをして、香辛料を吸っている・・・・・そういう悪徳がある。
うまい!けど進んだら刺激が溜まっていきそうなワルイ麺。
真っ赤に染まっている、
いやムシマルは知っている。
紅くて辛そうに見えてもそんなに辛くない、香り重視の唐辛子もあると聞いた。それではござらんか?
ずるるるるる。
辛さは、見た目のド迫力ほどではない・・・・・・いつもそうだ、希望を少しだけちらつかせて、あとから辛みがすべてを奪っていく。
・・愚か者め!
人はそれを・・
地獄と呼ぶのだっ!!!!
脳内魔王軍が吼える。
当たり前だけど、トウガラシがかかってる分、からいねって言いたいね。
夕暮れのチョコレート工場の香りをかぎたい。
ピアノの手をふと止めて、夕暮れの窓辺に体重に体を預けてドーナツにかけられたチョコレートの匂いで癒されたい。
けっこう皮膚に訴えかけるヒリヒリじゃないだろうか?
くれないに染まったこの椀を、平らげるやつはもういない。
いや。ここにいるぞ。
ああ、でも一口目に上澄みというか特にカラ部分を食べてしまったせいか、麺とかモヤシとかの口投入バランスでちょうどいい辛さに・・・
いややっぱり辛い寄りではあるけれど、旨みちゃんと感じられる辛さ。
ニンニクや味噌・トンカラシと旨みの構成成分が多いので、すごい、なんかのレギオンと闘っているみたい。
皮膚が流血した、透明な流血・・・・・・つまり発汗した。
タマゴまぜまぜ。
・・・・うん、大魔王はムリかもしれんね。
ムリというか、食べられはするんでしょうが、魔王の2辛でこうも汗かいているのであれば
大魔王の3辛では、心室細動起きちゃうのではないか?刺激弱めのムシマル限定の話ですあくまで。
・・・・大魔王も辛さ選べるぽい。大魔王の1辛なら、太刀打ちできるかも?
特盛だから、
量はもう最後の一体が決まる前のどころか最初に総当たりトーナメントを開始した蟲毒時くらいの詰め込み量。
ごはん無料で付いてきた。
ご飯の役割は、なんだ?
鍋焼きラーメン的に、残り汁にご飯入れるスタイル?
それともラーメン定食みたいに、麺をおかずにするスタイルかな?
・・・・あるいは、辛さを白米の甘さでやわらげさせる?ぱくもぐ。
・・・・・・ダメだった。
辛さは、ヒリヒリは、白いご飯では消えない。
挽き肉部分モヤシ部分を掬って、ご飯にかけてみる。
もぐもぐ。
美味しい、方向性は合っていると脳内で胃袋がささやく。体内どないなってるのだろうか。
水を飲んだ。ウォーター。
ドリンク持ち込みOKと書いてあったな。
それは、良いね。今回ノー持ち込みですが。
黒ウーロンとか良いかも。
もしくはリープル。
辛い!けど旨い‥‥。
ニンニクが普通でもブワワサッと薫る、毒のようにあるいは薬のように全身に回りそう。
麺特盛だと圧倒的。
お酢はマストな味変だなー。
辛さの尖りがゆるくなる。
参画定規の30度部分から60度部分になる感覚。
アジ・ヘンドリクスと名付けよう。
なんか酢による広がりがある。
さらば強敵(とも)よ・・!
安らかに眠れ・・!!
完食。
おれはっ…
おれはっ…!
…おまえを食べきって…!
この店を去る…!!
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今回、『ダイの大冒険』をだいぶ引用しました。
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