2006年6月3日のブログ記事一覧-ミューズの日記
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この前は、楽器がまず「道具であること」、またその道具であるが故に持っていなければならない考え方を間違うとどうなるのか、ということをお話ししましたが、今回からは、実際に楽器を選ぶ時の注意点といったものを、さらに具体的に掘り下げて行きたいと思う。
 但し、私は、楽器を作るということについてはまったくの素人だし、使われている材料や構造についても、ほとんど知識は持ち合わせていない。
(むしろ、楽器の製作経験の無い者が、なまじな知識にとりつかれて、間違った想像や結論を導き出すよりはましかもしれないとも思っている)
従って、あくまでも弾く側の立場でお話をするので、そのつもりで読んで欲しい。

<あれも聴きたい、これも聴きたい> 良い楽器とは。第3回

前にも言ったように、楽器と言うものは道具である。
アマチュアの方にとっては、趣味として音楽を楽しむための道具だ。
プロの方にとってはもう少し深刻で、武士がいくさの時に持って行く武器みたいなものと言ったらよいであろうか。
そういう意味で、自分の運命を託す、より重要な道具であると言える。
では、まずその道具にはどのような条件が必要だろうか。
さきほど言った武器を例にとってみれば、最も重要なことは、いかに扱い易いかということになる。いかに良く切れる刀であっても、必要以上に重かったりして扱い難いのでは、戦場では、扱う人間の命に関わってくる。

もちろん、命に関わるからこそ、刀の場合は「簡単には折れない」という強さも同時に求められるが、楽器においては、頑丈に作りすぎたために、むしろ鳴り難くなってしまうという可能性があるので、何よりもまず弾き易いことが大切だ。
この「弾き易い」ということはとても重要だけれども、反面、大変誤解され易いことでもあるので充分注意を要する。
では一般的に、誰にでも共通する弾き易い楽器とはどのような楽器のことをいうのかというと、まず第1に、

①楽器があまり大きくないこと。
子供用ほど小さい必要はないが、許せる範囲でより小さい方が弾き易いはずだ。(人並以上に特別手が大きいとか、指が太いといった例外を持ってこられても困るが、標準的にはという条件付で)
弦長にして、おおよそ650ミリ程度で良いのではないかと思っている。
もちろん、女性や手の小さい人であれば、さらに短くてもかまわない。
これはどなたでも納得していただける条件だと思うので、これ以上の説明は必要ないでしょう。

内生蔵 幹(うちうぞう みき)



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