消防士 兼 旅人の日記

消防署での出来事、ダラダラした日常生活を綴ります。

救急安心カード

2010-06-04 22:05:50 | 消防・救急
昨日も1件、つい数ヶ月前まではあり得ない数字だったのに、今ではこれが普通。

しかし地域柄、1件あれば比較的重症傾向にあります。昨日もその1件が緊急的にではないものの手術しないとまず治らないもの。

高齢と言うこともあり、最悪の場合は寝たきりになってしまうことも考えられる事案でした。


今日はタイトルにある、『救急安心カード』のお話。

一人暮らしの高齢者のお宅などに、住所、氏名、生年月日や血液型、既往・現病歴、かかりつけの病院や身内の方の緊急連絡先などを専用のカードに記して、専用のケースに入れておくと言う物。

救急現場にてご本人から状況などが聴取できない場合、これが非常に有効になってきます。

消防署が主体で行ったり、地域の自治会や福祉の方で行ったりと様々なようですが、日本全国でこのような取り組みが行われて来ています。

私の所属する消防(地域)でもこのような取り組みを実施しようかと言う案が出ているところ。専用のケースと情報を記すカードの見本品が先日消防署の方に届きました。


既に導入をしている地域では、各種情報を記したカードをケースに入れ、基本的には冷蔵庫に入れておくと言うルールにしているところもあるそうです。

冷蔵庫であればまずどこの家庭にでもあるであろうと言う理由。そして救急安心カードがあると言うことを駆けつけた救急隊員や民生委員の方が分かるように、玄関にステッカーを貼っていると言う工夫もしています。

そのステッカーに、どこにケースがあるかが分かるように書いておいてみても良いのかな?と言う気がします。万が一違うところにある場合も想定してね。


実際の現場でも、一人暮らしの高齢者でかかりつけ医や飲んでいる薬が分からない、身内の方の連絡先が分からずに苦慮することがあります。

ご自身で手帳に記している方もいらっしゃるのですが、読みにくくて判読不能と言うこともありますし、たくさんありすぎてどこに連絡をしたら良いのか分からない、今までにかかった病院もたくさんありすぎて今どこで治療を受けているのかも分からないなんてことがあります。

そんな時でも決まった書式に書いてあれば、連絡先も優先順位がありますので連絡や話がつきやすいですし、現在かかっている病院を探すのも楽になります。その分、現場活動時間の短縮につながり、スムーズな救急搬送が期待されます。

携帯用の救急安心カード(免許証サイズ)の物は以前からあったのですが、財布など貴重品と一緒にしまっている方がとても多いのです。(あくまでも携帯用ですからね

自宅での救急活動時ですと財布を探してみるのは時間のロスですし、いらぬ誤解を招きかねません。なので、自宅保管用と言うことで今回の話が出たようです。


当地域では地域の自治会、民生委員の方や市の福祉の方でこれらの事をやろうとする動きが出ています。

どちらかと言うと若い人より高齢者の多い地域、救急安心カードが役に立つ日が絶対に来ると思っています。

我々救急隊としては玄関のステッカーを見逃さないこと、記載されている情報から的確に搬送先を選定し迅速に搬送すること。今後本格的に救急安心カードが普及してきた時にこれらの事を考えて活動できるよう頭の中に入れておかないといけませんね。


明日はお休み。嫁の妊婦健診があります。

明日逆子で無く頭位であれば問題はないのですが、万が一また逆子になってしまった場合、お腹の上から胎児を回す方法をとるか、帝王切開も考えなくてはならない週数に。

嫁が言うには胃の方を蹴られる感覚があるみたいですので大丈夫だと思うのですが、明日のエコー健診まではドキドキしそうです。

最新の画像もっと見る

13 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
広めましょう〓 (バスガイド)
2010-06-05 01:59:54
この記事を読むまで その様なカードが あるなんて知りませんでした


私は、職業柄 様々な お客様と対面させて頂く機会と、じっくり話す時間が有ります
誰しもが、いつどの様にして、どんな事が起こるのか なんて解りません。よね
少しでも 沢山の笑顔を作るのが私達の仕事でして、カードのおかげ で その人に笑顔が生まれ その方の知人に笑顔が生まれ 救急隊の方 病院関係の方々に笑顔が生まれる事に つながりそうですね


私は、仕事柄 消防署や消防学校 訓練施設 防災館など 行く機会もありましたが どうやら見落としていた様ですね

今度 仕事で 消防署のお客様を受け持つ予定で おりますので詳しく聞いてみたいですね 私にも何か人助けが出来れば嬉しいですから!


追伸 赤ちゃん 無事逆子直ると良いですね〓 私の友達は先月8日 第一子 男の子が産まれました この前 抱っこして感激 別の友達3歳児も ほぼ1日 一緒に遊びましたが 最近の愚痴が まいっか みたく 笑って全て誤魔化されました(笑) 男の子 です やっぱりアンパンマンが大好きで近くのショッピングモールに行ったら、まっしぐらにアンパンマンの 車 百円で動くやつに 乗りましたので 百円入れました(笑) オマケ付きで飴が出てきて食べたいと言うのであげたらガリガリ噛んで食べました(^_^;)
子育ては、日々勉強ですね(ノ△T)
おまけに途中で寝てしまい15キロの3歳児は重かった(-_-#)

おんぶ でした(笑)


元に戻りますが 私の会社は、一応バスの保有台数 全国でも有数です 当社でも 安全安心笑顔をモットーに日々企業努力に励んでおりますo(^-^)o お客様の笑顔に繋がりそうな そのカード私達の会社でも広める事が出来たら良いかと想うのですが、出過ぎた事でしたら申し訳ありません(-o-;)
よろしかったら お時間ある時コメント頂けましたら幸いです( ̄∀ ̄)
因みに私 農業高校出身ですo(^-^)o
今はネットで何でも調べる事出来ますが、葉の色 や 模様 で 植物の健康状態は 見分けたり出来ますからね 病気も葉っぱ で 分かりますから 頑張って下さい(^_^)v でわ お休みなさい☆
返信する
初めて知りました (走快エイト)
2010-06-05 06:51:27
役に立つ情報を頂け、いつも感謝しております。救急安心カードの存在は、全く知りませんでした。今日は、学生時代の仲間と同窓会で会うので、住んでいる地域に救急安心カードがあるか聞いてみようと思います。

話は変わりますが、現在1日おきに小型ポンプ操法の練習をしています。教官の情熱が選手や応援の私たちにも伝わってきて、今ではマジに郡大会を勝ちぬき千葉県大会への進出をイメージしています。
返信する
勉強になります (白熊)
2010-06-05 18:24:04
私もこのブログ読むまで救急カードの存在すら知りませんでした。ドナーカードはいつも所持しているんですが。是非救急カードが全国的に浸透して欲しいと思ってます。逆子治ってましたか?
返信する
バスガイドさんへ (ムサシ)
2010-06-05 20:57:28
万が一の不測の事態、本人が会話可能であれば直接聞くことができるのですが、意識障害があったりでお話ができない場合には名前すら分からないなんてことがあります。

友人の方が一緒にいたが、名前と大体の住所しか知らないなんてことも過去にありました。当然、今何の病気を持っていて、どこの病院にかかっているなんて知ってはいませんでした。


意識障害があって会話ができない場合、所持品とかから手掛かりを探すのですが、その時に救急安心カードがあると一応の手掛かりはつかめます。


私の所属する消防では、救急安心カード(携帯用)は消防署で発行しており、希望する方(原則高齢者の方ですが)にはお渡ししております。しかしながら存在自体をあまり知られておりませんので、もっと積極的に普及啓発する必要があるなと感じています。


この間息子と2人でホームセンターに行った際、アンパンマンのカートを見つけられ、乗る!と一生懸命アピールされました。

奥にあったのですがひっぱり出して来て乗せて。帰り際案の定降りたがらず、強制的に降ろして帰ってきました。

少々心苦しかったものの、降りないと帰れないですしね(苦笑)


子供の成長に驚かされっぱなしの毎日ですね
返信する
走快エイトさんへ (ムサシ)
2010-06-05 21:08:57
私の所属する消防ではの話ですが、このカードは原則高齢者の方で希望者にお渡しをしています。

ですがやはり認知度が低いもの。もっと消防側で積極的に周知して、広げていかなければいけないなと感じています。救急車に積んでおくと言うのも一つの手かな?


まだ若い方でしたが、とある病気の発作で急激に気道閉塞をきたし、呼吸ができなくなる方がいらっしゃいました。

救急安心カードではないものの、病院側の指示で作った紙に、自分の病気のこと、万が一倒れていたらすぐに119番してくれと言うこと。

救急隊は気道確保と酸素投与を行い、必ずここの病院に連絡してくれと記載されていた紙を持っていた方がいらっしゃいました。


その方に接触した時には既に発語ができませんでしたので、その紙が無かったらきっと違う予後があったかもしれません。

何か持病がある方ですと、どんな時に倒れたりするか分からない。必要性を強く感じるなと思います。


私の署でも、操法大会の審査員で行かれる方がいらっしゃいます。公平に審査ができるよう、日々審査要領とにらめっこしています。

こちらでも大会までもう少し。仕事を抱えながら、尽力されてる消防団の方には本当に感謝ですね
返信する
白熊さんへ (ムサシ)
2010-06-05 21:16:18
私もドナーカードは所持しておりました。

カードと言うより、免許証の裏にシールで貼っていたのですが、昨年の更新で免許証が新しくなってしまい、今は何も貼っておりません(苦笑)

自分では提供の意思があるのですが、家族が何て言うか。素直に良いよと言ってくれるかどうかは分かりません。

難しい問題ですね…。


本日の健診の結果、逆子ではありませんでした。推定体重も平均値並みで順調に育っており、一安心です
返信する
Unknown (ひらこ)
2010-06-05 21:34:15
『救急安心カード』は赤十字救急法講習会で講師から聞いたことがあります!

冷蔵庫に保管…ということも聞いていましたが 聞いたときは理由に頷いたことを思い出しました。

私自身 持病があります。
昔は友人にすら話すのが嫌でしたが 最近では万が一のことを考えて 飲んでいる薬やかかりつけの病院、主治医等を伝えるようにしています。

いつも持っている鞄にも 薬手帳など入れておこうかなと思っています。

高齢者向けの『救急安心カード』ですが もっと広まってほしいものですね☆

あと 質問ですが
AEDの期限切れパッドはどうやって処理していますか?
不燃物ですか?
業者に頼んでいますか?
返信する
ひらこさんへ (ムサシ)
2010-06-05 22:32:15
消防署(救急車)のAEDパッド。在庫切れを防ぐために予算が厳しいながらも多めに買わざるを得ないものです。

使用期限が近いものから順次使うようにしていますが、それでも追い付かずに期限が切れてしまうのもあります。そんなAEDパッドは私の所属する消防では訓練用に再使用しています。

救命講習とかで使うのではなく、あくまでも隊員訓練用。レサシアン(蘇生人形)に貼って使っています。元々現場で使う物ですので、本物を使って訓練することにより、実践に即した訓練ができます。

使用後はそのままゴミ箱へ。確か感染性の廃棄物として処理をしていたような気がします。だから業者さんに処理してもらうようですね。


当消防でも救急安心カードはわりと昔から存在するものでしたが、実際の現場でそれを持っていた方はあまり見かけません。

もしそのカードがあって、情報が色々得られればもっと違った結果があったのかな?と思ったことがあります。

ただでさえ3人と言う少ない人員で活動する救急隊。身元がすぐに分からないと何とかして情報を探そうとするために時間のロスになってしまいます。

ご本人がお話できれば良いですが、必ずしもそうとは限らない。

この記事を書いて、存在自体を知らない方がきっと多くいらっしゃるのだろうなと思いました。


今は救命講習や救急車の適正利用についての普及啓発を行っていますが、救急安心カードの存在ももっと知ってもらわねばと強く思いました。
返信する
初めまして (やみぃ)
2010-06-06 15:52:50
いつもブログ拝見させていただいています(*^-^*)

火事(アパート全焼)の際は消防&救急の方に大変お世話になりました。ムサシさんのお仕事拝見しているといつも思い出してありがたく思っています。

ふと疑問に思ったのですが、ステッカーが玄関にあると防犯上は問題ないのでしょうか?
返信する
やみぃさんへ (ムサシ)
2010-06-07 20:31:32
初めまして、コメントありがとうございます。

火災に遭われてしまったのですね、お怪我はありませんでしたか?心からお見舞い申し上げます。


防犯上と言いますのは、変な話強盗とかのターゲットになりやすいと言うことでよいのでしょうか?

そこまで思いつかなかったなと言うのが正直なところ。言われてみて、あぁそう言う問題点もあるんだなと思い知らされました。


我々消防の業務の範囲はあくまでも人命や財産を守ること。人命を守ると言う意味では似ているかもしれませんが、犯罪関係は警察業務となります。


しかしながらそう言った点が問題になりうると考えられる以上、予防すると言うぐらいしかできることはないのかな?と思います。

地域住民による声かけ、定期的に訪問して見るなどの現代では薄れつつあるご近所付き合いでお互い助け合うことが一番手っ取り早い方法かもしれませんね。
返信する

コメントを投稿