消防士 兼 旅人の日記

消防署での出来事、ダラダラした日常生活を綴ります。

重症交通外傷

2009-04-13 23:20:04 | 消防・救急
昨日も6件。最近はずっとこんな感じです。

平均より多いことが無く、少ない時は3件とかで終わる時も。

そのうち思いっきり反動が来そうな予感もしますが…


今日記事にする事案は交通事故。

バイクと乗用車の交通事故、右折しようとした車と直進バイクの接触。典型的な右直事故でした。

直近の救急隊が出場中だったために次に近い我々が出場しました。


現場付近へ到着すると不自然に止まっている車。おそらくこれが事故車両。

遠くで手を振っているのが確認できましたので、活動の邪魔にならないところに救急車を停めて活動開始。

傷病者は道路上に倒れている状況でしたが、意識はあり会話可能。ですが見当識障害(※)がある状態。

バイクのスピードがそこそこ出ていたことと、初期観察の結果骨盤に動揺があり右の大腿部(太もも)の痛みを訴えていたことから高エネルギー外傷と判断。三次対応(救命センター)として車内収容後に救命センターへ収容依頼し搬送しました。


車内収容して詳細観察したところ、やはり右大腿部に腫脹、変形が認められる。

傷病者の頭側から見ても右と左の脚の長さが違うのがはっきりとわかりましたね。


病院到着までバイタル変化は認められず、意識も保ったまま病院到着。

医師の初診時診断では重症。おそらく退院まで1ケ月程度はかかるだろうなと思いました。


夕方の交通量の多い時間帯での事故。ですがまだ薄日が差していて視界がまだ良かった分活動も楽にできた事案。これが日が落ちて暗くなってたら難しかっただろうなと思うような事案でした。


明日は休み。

またまた接骨院に行ってきます。




※用語解説

見当識障害(けんとうしきしょうがい)…自分が現在おかれている状況を理解する能力(見当識)が障害された状態のこと。

自分の今いる場所や今日は何月何日?と質問しても答えられないような状態です。

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4 コメント

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今から仕事です〓 (☆キツネ☆)
2009-04-14 06:32:23
おはようございます
コメントして頂いた事、また納得しました…せっかく、受けたのだから自信もって何かするべき。むしろ出来る立場なんですもんね常日頃から心構えを変えようと思います。今日の記事を見て、事故は本当に身近なものだと思います。私自身も事故をした事があり、救命士さんが居る事で安心できたのを覚えてます。私は夜中だったので、ムサシさんの言う通り警察の方も救命士の方もやりにくかったと思います。意識があったんですが乗るまでに時間がかかりました。専門用語の説明が詳しくて、勉強になりました職場で次は上級者の講習を受けるように言われましたまた更に基礎を学んで自分の出来る事としてプラスにしていこうと思います腰の具合は大丈夫ですか??ゆっくり休まれて下さい
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Unknown ()
2009-04-14 08:37:39
高エネルギー外傷ってどんな状態を言うんですかぁ以前の記事で説明されてたらスイマセン
交通事故は怖いですね。ウチの職場の人もこないだ買い物終わって、帰ろうとしたら歩道にいた子供が車にはねられた為、近付いてったらはねた車がバックしだしたので、危ないと思い反対車線から近付いてったのにアクセルとブレーキを間違えてアクセル全開で職場の人の所に突っ込んできてはねられた事件がありました
結局、人間二人と車一台を巻き込んだ事故やったみたいですが普段利用してるスーパーの近くなので怖いなぁ…と思いました。
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☆キツネ☆さんへ (ムサシ)
2009-04-14 20:56:41
おそらく言っておられる上級者の講習と言うのは、上級救命講習のことだと思われます。

普通救命講習が成人の心肺蘇生法(3時間)なのに対し、上級ですと小児、乳児の心肺蘇生法、普通救命講習で行わなかった各種の応急処置が入り、時間にして8時間。一日で行う講習です。


心肺停止に陥るのはお年を召した方だけではなく、中には子供、乳児ということだってあり得ます。

対象が子供でも、基本的には心肺蘇生の方法は同じ。AEDのことや圧迫する手の関係が少し変わってくるだけです。そんなに難しく考えることはありません。


受講される機会がありましたら、ぜひ積極的に受講なさって下さいね
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8さんへ (ムサシ)
2009-04-14 21:13:54
高エネルギー外傷の目安ですが、

・車から放り出された。
・5m以上跳ね飛ばされた。
・車両が大破している。
・車両が横転している。
・同乗者の死亡。
・自動車×歩行者(自転車)の衝突事故。
・高所からの墜落(目安は3階程度の高さ)
・救出に20分以上要したとき。

などが挙げられます。


受傷機転から考えて、生命に危険のある損傷を負っている可能性がある状態。明確な基準はありませんが、上記のような受傷機転の場合が判断目安になります。

これに当てはまるようだと高エネルギー外傷と判断し、迅速に車内収容し搬送します。(ロード&ゴーと言います)

生命に危険のある損傷の処置を最優先し、予後にあまり影響しないような傷、詳細なバイタル観察は後回しor省略。搬送先は救命センターがほとんどです。

これはJPTEC(ジェイピーテック、外傷病院前救護ガイドライン)に則って活動しているものです。


記事に書いた事案は自動車×バイクの事故。箇条書きした高エネルギーに完全に当てはまるものはありませんが、バイクのスピードが出ていたことと、バイクの運転手とバイクの距離が少し離れていたので、ロード&ゴーに至ったものです。


事故を起こした人は動揺していますから、8さんがおっしゃるような感じだと、おそらくアクセルとブレーキ間違っちゃったのかな?という気がしますね。


明日は我が身。運転する時も、歩いている時でも気をつけなければいけませんね
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